政府は、レギュラーガソリン1リットル当たり10円の定額補助を22日から開始。ガソリン価格が段階的に引き下げられる予定だ。
しかし、専門家は定額制の“落とし穴”を指摘している。
22日からガソリン価格が段階的引き下げ
政府による新たな補助制度が22日から始まり、ガソリン価格が段階的に引き下げられる。
東京・足立区のガソリンスタンドでは、「ガソリンは生活必需品の1つなので下げてもらいたい」「5円でも10円でも下がってもらった方が全然いい」と期待の声が聞かれた。

政府は、レギュラーガソリン1リットル当たり10円を定額補助する方針だ。

ガソリンスタンドに配布された告知ポスター。
そこには、大きく「10円/L 定額引き下げ」と書かれているが、西綾瀬SS・三枝直樹店長は「こんなの貼ってくれって言われたんですけど、こんなの貼ったら余計説明が大変ですよね」と反発している。
というのも、ガソリン価格は22日からいきなり10円下がるわけではない。

市場価格への大幅な影響を避けるため、最初の1週間は5円、翌週から6円、7円と、毎週1円下がるよう補助を追加し、最終的に最大10円の補助金が追加される。
専門家は定額制の“落とし穴”指摘
資源エネルギー庁は21日、レギュラーガソリンの全国平均の小売価格について、5月19日時点で1リットル当たり182円10銭だったと発表。

現在の原油価格の状況を踏まえると、来週は184円50銭となり、2円40銭の上昇が見込まれるため、経済産業省は22日以降、この上昇分に5円を加えた7円40銭を石油元売り各社に支給し、177円10銭になるよう設定します。
ただ、専門家は定額制には落とし穴があると指摘する。

第一生命経済研究所・新家義貴さん:
補助が(定額)10円ということになったので、元のガソリン価格が急騰してしまうと、その10円では足りなくなってしまう。ガソリン価格が上がってしまうリスクがある。

例えば、ガソリンの価格が195円まで急上昇した場合、10円の補助があっても現在の価格よりも上がってしまうことが考えられる。
一概に22日から値下げされない可能性も
また、ガソリンスタンドのタンクには現在、値下げ前の在庫があるため、その分を売り切るまでは価格が下がらない可能性もある。

西綾瀬SS・三枝直樹店長:
明日から下がるのを待ってる人いるかもしれないが、下がる下がらないは店によって違いますから、一概に明日から下がるっていう制度じゃないので、説明が大変なんです。本当に。

こちらのガソリンスタンドは利用客の期待が高いこともあり、21日にも価格を下げるつもりだという。
(「イット!」5月21日放送より)