リニア中央新幹線で長野県豊丘村などで掘削中の「伊那山地トンネル」の2つの工区が5月12日、貫通した。想定より地質がもろく、相次ぐ労災事故で工事が中断した影響もあり、工事が予定よりも10カ月遅れていて、トンネルで隣り合う工区がつながったのは初めてだという。
隣り合う工区が初めてつながる
JR東海は5月13日、工事中のリニア中央新幹線伊那山地トンネルの内部を公開した。一部ではコンクリートの吹きつけも行われている。

トンネルは豊丘村から大鹿村までの15キロ余り。
3つの工区に分かれ、戸中・壬生沢工区と坂島工区が12日、貫通してつながった。
リニアのトンネルで、隣り合う工区がつながったのはこれが初めてだ。

2つの工区の間には、12日に貫通したばかりの穴がみられる。
最後の壁を重機が崩した時の様子をJR東海が公開した。
「バンザイ!バンザーイ!」
工事は予定より10カ月遅れ
想定より地質がもろく、相次ぐ労災事故で工事が中断した影響もあり、予定より10カ月遅れたという。

中央新幹線長野工事事務所の小池一之所長は「これを一つの節目として感慨深い思いはありながら、新たに気持ちを引き締めて工事を進めていきたい」と述べた。
「できるだけ早く走らせたい」
二つの工区は2026年に工事が終わる予定だったが、最終的に4、5年遅れる見込みだ。
小池所長は「工事担当者としては、しっかり工事を進めて適切な構造物を造って、できるだけ早くリニアを走らせて地域を活性化させたい」と話した。

リニアの工事は県内11の工区全てで遅れている。地域の振興に関わるだけに、当初の2027年に代わる品川・名古屋間の新たな開業時期が早く示されることが望まれている。
(長野放送)
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