フランス・パリで13日、暗号資産会社CEOの娘夫婦が覆面集団に襲われた。筒状の凶器で殴打されたが、必死の抵抗と消化器を持った住民の介入で誘拐は未遂に終わり、犯人らは車で逃走した。フランスでは、同業界関係者が狙われる事件が続発している。

覆面集団が“暗号資産会社”CEOの娘夫婦襲う

フランス・パリで、ある業界を狙った誘拐事件が相次いでいる。

13日に起きた誘拐未遂事件。叫び声が飛び交う中、路上で激しい暴行を加える覆面姿の集団をカメラが捉えた。

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ロイター通信によると狙われたのは、暗号資産会社のCEOの娘夫婦。

よく見ると、覆面の人物たちは手に筒状のものを持っており、手に持った物で妻を激しく殴打している。

妻を引きずる覆面の人物
妻を引きずる覆面の人物

そして、覆面の人物は、妻を引きずるように連れて行こうとする。

ところが、夫が妻に抱きつき必死に抵抗した。覆面集団は2人を離そうとするが、なかなか夫を引き剥がせない。

すると次の瞬間、突如現れたのは消火器を抱えた住民だった。覆面集団は慌てて近くにある車へと乗り込み、現場から逃げ去っていった。

夫婦を助けた住民は、当時の緊迫した様子をこのように語る。

夫婦を助けた住民:
男性は頭を何度も殴られていたが、女性を離しませんでした。だから、犯人たちは誘拐を諦めたんでしょう。男性の行動が消火器よりも意味があったんです。

暗号資産狙う犯罪増加…専門家が警鐘

ロイター通信によると、フランスでは暗号資産業界の関係者やその家族を狙った事件が2025年1月と5月にも発生しており、このところフランス内で急増しているという。

暗号資産会社を狙った事件が急増している理由について、専門家はこう話す。

ITジャーナリスト・三上洋氏:
暗号資産関連は、この10年ほどで大きく儲かりましたから、お金を持っていることは確か。そして、これらの暗号資産企業のトップは大抵SNSやメディアで顔を出しています。
もう一つの特徴は、匿名性と即時性です。暗号資産は分散したり、取引所を経由することで捕まりにくいです。

こうした暗号資産を狙った犯罪は、今後日本でも起きる可能があるのか。

ITジャーナリスト・三上洋氏:
日本では同種の事件は起きていないが、今後増える可能性があります。日本でも暗号資産を多く持っていると分かっている有名人や経営者は、セキュリティをしっかり保つ必要があります。
(「イット!」5月16日放送より)

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