愛称は「長高水族館部」

瀬戸内海に面する愛媛県大洲市の「長浜高校」。ここには日本の高校で唯一「水族館部」が存在する。

長浜高水族館部部長・大西寅ノ介さん:
「みなさんこんにちは!水族館部です。長高水族館オープンです。」

愛称は「長高水族館部」。

もともと学校の隣に町立長浜水族館があったが、老朽化により閉館。再開を望む声を受け、1999年、高校内で復活したのが始まり。

生徒自らが運営し、月に一度は一般の人ら向けに公開水族館を開いている。

月に一度は一般の人ら向けに公開水族館を開く
月に一度は一般の人ら向けに公開水族館を開く
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地元に生息する魚と出会える水族館部

ここでは地元・肱川や宇和海などに生息する魚をはじめ、150種類・2000匹の生き物に出会うことができる。

日々飼育を行う部員たちが水槽の前に立って、魚の特徴などを教える「おもてなし」が人気を集めている。

部員たちが伝える「おもてなし」
部員たちが伝える「おもてなし」

魚たちと過ごす唯一無二の青春を求めて

そんな水族館部には、毎年魚たちと過ごす唯一無二の青春を求めて全国から多くの生徒が入学する。

長浜高校水族館部顧問・重松洋先生:
「去年が43人なので、年々水族館部に入る率が上がってます。」

今年は新入生61人のうち、なんと8割以上を占める52人が水族館部に入部した。

なんと8割以上を占める52人が水族館部に入部
なんと8割以上を占める52人が水族館部に入部

県外からもたくさんの生徒が

男子生徒・吉川魁さん:
「三重県伊勢市から来ました。」

男子生徒・田邊輝幸さん:
「神奈川県平塚市です。」

男子生徒・南部碧斗さん(愛媛県新居浜出身):
「日本全国見てもここだけしかない場所なので、やっぱり魚好きには天国みたいな場所。」

新入部員たちは4月、公開水族館デビューの日を迎えた。

公開水族館デビューの日を迎えた
公開水族館デビューの日を迎えた

福岡県から来た友田さん

1年生・友田紗羅華さん:
「きのうの夜あまり眠れなかった。朝もぱっと目が覚めて、いつもならありえないのに。やっぱり楽しみで、中学2年生のころからこの学校に来たいと思っていたので、初めての公開日すごい楽しみです。」

福岡県糸島市からやってきた友田紗羅華さん。カエルアンコウが大好きで生態を研究してみたいと、長高水族館部に入部した。

2年生のサポートのもと、おもてなしに初挑戦。

カエルアンコウが大好き
カエルアンコウが大好き

お客さんから魚シールをもらえるのか

1年生・友田紗羅華さん:
「頑張ります。シール1枚は私もほしいなと、きのうの夜から思っていたので、後はお客さんに楽しんでもらえればいいかなと思います。」

長高水族館ではおもてなしがよかった生徒にがんばった証として、お客さんが魚シールを渡す制度がある。

友田さんの目標はまずは1枚。

果たして、お客さんの心を掴むことはできるのか。

お客さんが魚シールを渡す制度
お客さんが魚シールを渡す制度

長高水族館オープンです!イェーイ!

長浜高水族館部部長・大西寅ノ介さん:
「今から開館と挨拶をします。いらっしゃいませ。本日はお越しいただきありがとうございます。それでは長高水族館オープンです!いぇーい!」

大西部長もやる気満々。

長浜高水族館部・部長大西寅ノ介さん:
「まずは1年生に楽しんでもらって、お客さんもぼくたちの活動に興味があって来てくださっていると思うので、楽しさが伝染していくような公開日にしていきたいです。」

楽しさが伝染していくような公開日
楽しさが伝染していくような公開日

いよいよ水族館がオープン

そして、いよいよ水族館がオープン。それぞれ担当の水槽などについて、お客さんを出迎える。新入部員たちも初めてのおもてなしに、やる気がみなぎっている。

1年生・宇都宮大喜さん:
「触覚を乾燥させて、粉状にしたものを人に投げるとくしゃみが止まらなくなるからハクションクラゲとも言われています。」

1年生・神野愛梨さん:
「この盛り上がり三角形が、昔のかぶとに似ているので、カブトニオイガメという名前が付きました。」

神野愛梨さん:
「先輩の真似っこしてるだけなので、まだまだです。めちゃくちゃ緊張しました。でも今めちゃくちゃ楽しいので、楽しいの方が今勝ってます。」

カブトニオイガメという名前
カブトニオイガメという名前

カブトガニのご紹介

その頃、友田さんはどんな様子なのか。

1年生・友田紗羅華さん:
「いきますよ~カブトガニの裏側はこんな風になってます!真ん中のとげとげ部分が口になります。人間の血液が赤いのは、ヘモグロビンが含まれているからなんですが、カブトガニの血液が青いのは銅が血液の中に含まれているからなんです。」

お客さん:
「鉄じゃなくて銅なんですね。」「知らなかった~!」

持ち前の笑顔と、この日のために勉強した知識を生かして、カブトガニの魅力を全力で伝えていた。

2年生・竹内昭人さん:
「(おもてなしが)めっちゃ上手です。ベテランだなと思いました本当に僕も負けてられないです。」

銅が血液の中に含まれているから
銅が血液の中に含まれているから

憧れのシールを3枚も!

お客さんからシールをいただいた。

1年生・友田紗羅華さん:
「たくさんもらった~初のおもてなしで魚シールを3枚もゲット!」

お客さん:
「笑顔が素敵だと思います。1年生だとは思えないくらい、ちゃんと勉強されてるのがすごいですよね。」

1年生・友田紗羅華さん:
「こんなにもらえるとは思わなかったです。」

友田さん、とても嬉しそう。

笑顔が素敵
笑顔が素敵

友田さんが部活終わりに必ず行くというある場所

長浜高校に来て1か月あまり。友田さんが部活終わりに必ず行くというある場所がある。

友田紗羅華さん:
「近いです(学校から)徒歩1分もないです。」

学校のすぐ側にある瀬戸内海。ここに来ると心が癒されるんだそう。部員たちと思い出の写真も!青春。

部員たちと思い出
部員たちと思い出

友田さんは長崎から来た寺井さんと共同生活

県外出身の生徒たちは寮で暮らしていて、友田さんは長崎県出身の寺井さんと共同生活をしている。

Q.友田さんはどんな子?

1年生・寺井理乃さん:
「朝の寝起きからすごくて、私ぎりぎりまで寝るんですけど(友田さんは)ちゃんと朝早くに起きて、色々してくれてる朝ごはんとか。」

しっかり者の友田さん。部屋ではクワガタを飼ったり、生き物のフィギュアが並んでいたり…生き物愛に溢れている。

生き物愛に溢れている友田さん
生き物愛に溢れている友田さん

水族館部での『青春』とは?

そんな友田さんにとって水族館部での『青春』とは?

友田紗羅華さん:
「高校でこれだけ生き物と触れ合えて、楽しく部活ができて、高校生活をおくれるのが一番私の中での青春だと思います。この水族館部がなければ、私はこの長浜に来ていないわけですし、水族館部があったからここまで行動しようと思えた。水族館部の存在は私を大きく変えてくれたのでありがたい。」

全国から集まった水族館愛溢れる部員たち。

彼女たちにとって、水族館部はまさに青春そのものであり、新入部員の新たな風とともに長浜高校や町をさらに盛り上げてくれそうだ。

水族館部の存在は私を大きく変えてくれた
水族館部の存在は私を大きく変えてくれた
テレビ愛媛
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