大分市のごみ収集業務を巡る官製談合事件は、12日から裁判が始まり業者の男は起訴内容を全面的に認めました。
検察が指摘したのはかねてから続いていたとされる大分市と業者の男との異常な関係でした。
この事件は大分市の西部清掃事業所地域のごみ収集業務の入札を巡るものです。
市の元環境部長と受注業者の元役員が官製談合防止法違反などの罪で起訴されたほか職員4人が罰金刑を受けています。
このうち、受注業者であるワールド建設の元監査役で部落解放同盟の大分支部長である早川幸治郎被告の裁判が12日から始まりました。
早川被告はワールド建設が市のごみ収集業務を有利な金額で落札出来るように市の職員と共謀して秘密である予定価格などを事前に受け取っていたとされています。
12日、大分地裁で行われた初公判で裁判長に罪を認めるか問われた早川被告は。
◆早川被告
「認めることしかありません」
起訴内容を全面的に認めました。
そして検察が冒頭陳述で明らかにしたのは大分市と早川被告の異常な関係でした。
◆検察側
「大分市の各部の部長などは人事異動の発令後、被告にあいさつに出向くことが慣例化していた。また、入札への要望を聞いて被告が納得した金額で落札させることが当たり前になっていた」
その上で、入札の金額や入札に参加する業者について、大分市が、早川被告に対し過剰な配慮をしていたと指摘しました。
◆検察側
「市は契約金額が前回よりも下がると被告の怒りを招くかもしれないと考え、金額を増額させる形で調整した。その上で直接被告に説明に行った」
「さらに入札に参加する業者についても市は被告から特定の業者を外すように指示されその通りに組み替えを行った」
検察はこうした大分市と早川被告との関係について「部落差別の撤廃などを掲げた条例の『就労対策』の文言を根拠にかねてから続いていた」としています。
一方、弁護側は大分市とワールド建設との契約は事件後に解除されたなどとして執行猶予付きの判決を求める方針です。
次の裁判は5月22日に開かれ結審する予定です。