市街地から車で45分、カーブが続く峠を越えた先にあったのは神秘的な絶景でした。

エメラルドグリーンに輝く湖。
湖面を一層美しく彩るのは新緑に色づいた木々。

まるで水の中から木が生えているかのような幻想的な光景が広がっています。

9日、取材班が向かったのは山形・飯豊町にある白川湖。
観光客のお目当ては湖の中の「水没林」です。

福島から来た人は「初めて見たが幻想的、いいですね。日本ではないみたい、すごくきれいです」「すごくいいところ。また来たい。季節をかえて春夏秋冬で来てみたい」と話しました。

冬の期間、一面雪に覆われる白川湖。
春の訪れとともに山の雪解け水が流れ込み、湖の水位が上昇することによって生じる「水没林」は、春先から初夏にかけてしか見られない貴重な絶景スポットです。

この景色が見られるのは残り1週間余りです。
期間限定の絶景に中国人観光客は写真撮影に夢中に。

中国人観光客は「本当にすごい。特に木。よく水の中で生きているな。(中国に)ない。見たことない」と話しました。

“奇跡の一枚”を撮影する闘いは、まだ日が昇りきらない早朝から始まっていました。

午前4時、湖では鳥のさえずりに混じって早くもシャッターの音が響いていました。

湖のほとりには60人ほどのカメラマンがずらりと並んでいました。

栃木から来た人は「向こうを午後8時に出て午前1時半に着きました」と話し、福島から来た人は「朝焼けが撮りたくて早く来た。(Q.待ったかいある?)あります、最高です。きょうの景色はいいね」と話しました。

狙っていたのは、もやがかかった湖に朝日が差し込む一瞬を捉えた幻想的な写真。

東京から来た人は「(Q.きょうはバッチリ?)バッチリ!最高の色、良かったです。水量もいい、新緑がちょうどいい」と話します。

撮影は夜になっても続いていました。

午後7時、水没林がライトアップされ暗闇の中に浮かび上がり、昼間とは異なる表情を見せていました。

東京から来た人は「神秘的できれい。なかなかない感じ。リフレクション(反射)がすてき。スマホでこれだけ撮れるのはすごい」と話しました。

一方、湖からほど近い道路では、迷惑行為が相次いでいました。

「路上駐車禁止」と書いてある場所に車が止まっていました。

道路に車を止める2人組の男性。
そのまま車道を渡り、湖が見える方へ。

すると、写真をパシャリ。

この県道では、道路脇から見える湖を撮影するため、路上駐車が後を絶たないといいます。

多くの観光客でにぎわう絶景スポット。
町はゴールデンウィークに観光客が集中しないように分散化を呼びかけていました。

山形・飯豊町 菊川哲彦さんは「ゴールデンウィークの日中だけに(観光客が)集中するので、常に問題が発生する。分散して楽しんでもらえると我々もおもてなしができるから、みんなにウィンウィン」と話しています。