いま、山形市の野草園では、世界で唯一ここでしか見られないサクラが見ごろを迎えている。2つの品種の自然交配で生まれたサクラが、訪れた人を魅了している。

野草園でしか見られない「世界で唯一」のサクラ
野草園・五十嵐博朗副園長が案内してくれたのは、ミヤマカスミザクラ。
標高550メートルにある山形市の野草園でしか見ることができない、珍しいサクラだ。

取材した5月8日は晴れ渡り、かわいらしい白い花と力強い緑の葉、そして青空のコントラストがとても美しかった。
散りはじめに見えるが、これで5分咲き。

2種のサクラの特徴を受け継ぐ
ミヤマカスミザクラは、もともと野草園に自生していたものを職員が発見し、2012年に新種のサクラと認められた。
「ミヤマザクラ」と「カスミザクラ」が自然交配した桜は、いずれの特徴も受け継いでいる。

ミヤマザクラのつぼみを見ると、軸が枝分かれしているのがわかる。
このつぼみが咲くと、白く・丸い形の花が咲く。

ミヤマカスミザクラも一つの軸が枝分かれして白い花が咲いているが、特徴的なのは花びらの形。
よく見ると先の部分が裂けている。これは、カスミザクラから受け継いだ特徴。

説明を聞いて見ると貴重さがより伝わる
2025年は、去年より1週間ほど遅い5月4日に開花し、今が見ごろ。
秋田からツアーで訪れた団体客のみなさんがボランティアスタッフの説明に聞き入っていた。

「ミヤマカスミザクラ、世界に一つしかないのですよ」という説明に対し、「珍しい、感動する。ただ花が咲いていると『サクラの花だな』で済んでしまうが、違いの説明を受けるとすごく好奇心がわく」と、青空に映える「ここだけのサクラ」を楽しんでいた。

山形市野草園・五十嵐博朗副園長:
世界でも野草園だけでしか見られないサクラ。特徴ももちろん貴重なサクラ、見る時期も限られているので、ぜひ足を運んでほしい。

ミヤマカスミザクラは間もなく満開となり、今週いっぱいは楽しめる。
(さくらんぼテレビ)