2025年4月10日、奈良県奈良市の帝塚山(てづかやま)学園のグラウンドで落雷があり、サッカー部の中高生6人が病院に搬送されました。急な雷が鳴りだした際、どのように身を守ればよいのか。誤解も多い雷対策について、専門機関に聞きました。
■夏にかけて増加する「落雷」…雷の特性は
落雷の数は、春から夏に向けて右肩上がりに増加します。その危険から身を守るためにはどうすればよいのか。まず、雷の特性を知る必要があります。

背の高い大人に見立てたマネキンと、背の低い子供に見立てたマネキンを並べた落雷の実験では、雷は、より高いところに落ちるため、大人のマネキンに落ちました。

しかし、木の下に避難するのは危険です。マネキンを木の下に置いて実験すると、雷は木に落ちましたが、その後、マネキンに移りました。

これは落雷を受けたものから、他のものに飛び移る「側撃」と呼ばれる現象です。木よりも人の方が電気を通しやすいため、起こるということです。
■落雷から身を守るための「3つの方法」
雷から身を守る為には、頑丈な建物の中に避難することが重要ですが、全国で雷の観測などを行っているフランクリン・ジャパンは、近くに避難する場所がない場合は、低い姿勢をとることが大切としています。
フランクリン・ジャパンによりますと、雷から命を守るために必要なこととして、3つの注意点をあげています。

1つは「木から離れる」ことです。木の下で雨宿りをするのは禁物です。
気象庁によると、木の下で雨宿りしていて「側撃」で亡くなる人が少なからずいるということです。
2つ目は「電線や電柱の下」に行くことを挙げています。電柱や電線は避雷針の代わりになります。
電柱の頂点を45度の角度で見上げる範囲で、電柱から4メートル以上離れたところは雷の影響が及びにくいということです。
そして3つ目はゴルフ場などでの“最終手段”、身をかがめ、姿勢を低くする「雷しゃがみ」です。
電流が流れないように膝をつけて地面との設置面積を少なくするために、つま先立ちをするしゃがみ方です。
2025年4月18日放送
(東海テレビ)