神奈川などで5日から6日にかけ、左手のないサルが二足歩行で走り回る姿が相次いで目撃された。サツマイモを拾い食いしたり、ロープやじょうろを右手で引きずって遊ぶ様子も。
4月にも埼玉などで同一個体とみられるサルが出没していたが、専門家は二足歩行で自由になった前足で、物を運ぶ行動が増えたとみている。
二足歩行のサルを相模原や八王子で目撃
6日午後2時過ぎ、雨の神奈川・相模原市で1頭のサルをイット!のカメラが捉えた。
カメラマン:
いたいたいたいた!

東中 健アナウンサー:
いました、いました!木の真ん中辺りにちょうど鎮座しています。
雨宿りしているかのように身を潜めていたのは、“左手のない二足歩行のサル”だ。

東中 健アナウンサー:
今出てきました!二足で…足で立っていますね。確かに左腕がありません。何か右手で探しているような様子もありますね。私は半年前にも違うところで見たのですが、その時より体が大きくなったような気がします。二足歩行で森の方へ、木の方へ歩いて行きます。器用に立ち上がって歩くんですね。ちょっと走って行くような姿で、二足歩行でタタタタと歩いていきました、奥の方に。

二足方向で軽快に走り去り、サルは奥に消えた。
東中 健アナウンサー:
タタタタっとちょっと肩を揺らしながら走って行きます。

姿を消した付近を捜索すると、再びカメラの前に姿を現した。しかし、飛び跳ねるような小走りでまたもや走り去ってしまった。

サルを目撃した子ども:
大きかった。
サルを目撃した親:
明日から学校が始まるから、ちょっと怖い。
東中 健アナウンサー:
二足歩行していますよね。

サルを目撃した母親:
人間みたいですよね。
サルが漁っていた茂みを見ると、捨てられたサツマイモがあった。

道路に散乱したイモの皮をたどって、取材班がなおも捜索を続ける。
取材班:
今車の上にサルがいてイモを食べています。

サルは右手を器用に使い、イモを食べていた。

4月、埼玉県や東京・練馬区付近で二足歩行のサルが目撃されたが、このゴールデンウィーク中は相模原市や東京・八王子市で相次いで目撃情報が寄せられた。
ロープやじょうろを手に遊ぶ姿も
5日午後5時半過ぎ、相模原市で撮影されたのは、運んできた黒と黄色の縞模様のロープを放り投げ、芝生にゴロンと横になったサルだ。

撮影者:
超かわいい。遊んでるんだけど。
しばらくすると、立ち上がって右手でロープを引きずりながら、跳ねるように駆け出して行った。

サルを撮影した住人:
ロープがもう1個ここにあったんですよ。
サルは倉庫にあったロープを持ち出して、まるで子どものように遊んでいたという。

サルを撮影した住人:
ロープ、あそこに落っこちてる!
取材班:
あれですか?
サルを撮影した住人:
あのロープです。うちのロープで遊んでて。

その10分後には、右手に持った緑色のじょうろを引きずりながら、屋根の上を二足歩行していた。

さらに、5日午後7時頃には、右手に持ったタオルを大きく振り回しながら歩く姿も見られた。

5日午前10時頃には、交通量の多い相模原市内の道路を二本足で猛ダッシュする姿も捉えられていた。

専門家は、四足歩行から二足歩行で移動するようになったことで、サルの行動に様々な変化が起きているのではないかと指摘する。

京都大学大学院理学研究科・中川尚史教授:
(二足歩行になる)過程で手が空く、前足を移動に使わなくてもいいわけですから、何かしら持ったり、それを持って移動するところが見られてると思います。一個体の中での話ですから進化ではないんですけど、人類の進化を推察する上では面白い映像だとは思います。
(「イット!」5月6日放送より)