4月のライブスポーツで紹介したスケートボードの大会で日本一に輝いた八代郡氷川町の松本雪聖さん。目指すはオリンピック出場という中学2年生です。今回、どんな環境で練習し、技を磨いているのか取材しました。
八代郡氷川町の松本雪聖さん。
スケートボードで次回、2028年のオリンピック出場を目指す中学2年生です。
宇城市松橋町のウキウキパークです。
雪聖さんはここで練習に励んでいます。
4月の「マイナビ スケートボード日本OPEN」の女子ストリートでは、オリンピアンも出場するなか堂々の初優勝。
現在、強化指定選手に選ばれていて、世界ランキングは10位。
イタリアやアメリカなどで行われる国際大会にも参戦予定です。
強みはスピードや力強さ、そしてジャンプの高さです。
【松本雪聖さん】
「田舎だから…ではないけど路面が悪くてスピードが出ないし、プッシュしないと跳べないこともあるから。それで(路面がツルツル滑る)東京とかのパークに行くとスピードとかが出るんじゃないかと思う」
パリオリンピックの金メダリスト、吉沢恋選手は雪聖さんの魅力をこう表現します。
【吉沢恋選手】
「自分にはない脚の力の強さなどでジャンプ力が高いところは自分もうらやましいなと思うし、すごくスケートボードを心の底からやりたいんだなと思っているような選手」
平日4時間、休日10時間の週6日の練習を支えるのは家族です。
【弟・昊旺さん 小学5年】
【母・沙織さん】
「本人が辞めると言うまでは応援する。一度始めたことは辞めるな、やり遂げろという思い」
両親は農家で、父・貴光さんはコーチを務めます。
【父・貴光さん】
「男子のトリック(技)を見て盗めるところは盗むという作業。雪聖は動画を見て
研究というタイプじゃないので僕の方が研究して、それを伝えて」
最初にデッキ、板に乗ったのは3歳のころ。
両親がスノーボードをしていた影響からスケートボードに興味を持ち、次第に熱中していきました。地元の中学校に通う雪聖さん。練習の時には見られないリラックスした笑顔がありました。
【友人】(学校での雪聖さんは?)「わーって騒いで走り回ってる」
(これから英語の授業だけど?)「英語…多分たくさん当てられると思う。助けてね」「大丈夫、これから世界に行くときに<ハロー>って」
【担任・池崎佑太 先生】
「スケボーでとても活躍しているのに全く自慢しないところがすごい。将来オリンピックに出ると思うので英語をしっかり教えて。応援し続けたいと思う」
また身体のケアなどを行う鍼灸院の代表も雪聖さんは<頑張り屋>だといいます。
【竜北スポーツ鍼灸院 吉野敦代表】
「頑張る、本当に頑張る」(弱音を聞いたことは?)ある、めっちゃ言う。でも、言いながらやる…。常にマイペース、平常心。調子に乗らない。おごらない。淡々としている」
さて、雪聖さんにはいま取り組んでいるトリック、大技があります。
板を1回転させて、板の前方を踏みながらレール上を滑り、着地する、「キックフリップノーズグラインド」です。
(女子の選手でできる人は?)
「まだ いない。世界でもいないと思う。必殺技として練習している。次の大会で出すのか3年3ヵ月後のオリンピックまでに完成させるのか。そこのせめぎあいだと思う。時間があるようで無い1個の技が完成するまでに1年くらいかかるので、毎日やっても」
いまは大会での成功に向けて練習の日々です。
「やっぱり決まるとやった!という気持ちと、次こけないかな?という不安もある。ちょっとずつ高さ上げて自分ができるようになっていくようにしたい」
失敗しても、転んでも、何度も何度も繰り返し練習をする。この地道な過程の先に
見据えるのは…
「オリンピックに行きたい、オリンピックに出て、表彰台に乗り、金メダルを取りたい」
熊本から世界を目指します。