2027年度から始まる名古屋駅一帯の再開発では、「名鉄名古屋駅」もリニューアルされます。現在の名鉄名古屋駅のホームは行き先によって乗車位置が変わり、とても複雑で、再開発で線路を今の2本から4本にするということですが、毎日電車が走る中で、どんな方法で工事するのか、専門家に聞きました。
■混乱する人も…複雑すぎる「名鉄名古屋駅」
名鉄名古屋駅の線路は上下1本ずつ2本のみで、下りは、岐阜や津島、犬山方面、上りは、東岡崎や西尾、セントレアなどなど同じホームなのに行き先はバラバラです。

ラッシュ時はひっきりなしに電車が来て、行き先で停止位置が異なるため、混乱する人もいます。
こうした使いにくさを解消しようと、上下それぞれ2本ずつ、合計4本の線路にしようとしています。
■いったいうどうやるのか…専門家の見通しは
ただ、365日毎日電車が走る中、どうやって4本にするのか。鉄道ジャーナリストの梅原淳(うめはら・じゅん)さんに聞きました。

鉄道ジャーナリストの梅原淳さん:
工事の行い方として仮に(ホームを)南側に延ばしていってそのままトンネルを広げていったりして、恐らく仮設あるいは将来使うホームの一部を建設して、そちらに全部移転して、今使っているホームの一部またはすべてを全部壊して、そこの部分にまた広げるスペース、要するにホームをもうあと2線、線路を敷くと思いますので、いくつかの切り替えの段階で工事を進めていくと思います。

完成すれば、「空港アクセスホーム」を設置してアクセスしやすくなるほか、笹島交差点付近に新たな改札口も設け、笹島方面への利便性も高まる見通しです。
ホームドアも設置され、安全面の向上も期待されます。

鉄道ジャーナリストの梅原淳さん:
1960年台、70年台からもう手狭っていうことになって、これはもう本当に名鉄の悲願でもありますし、やっぱり名古屋を中心とした利用者の方々にとっても、非常に待ち望んでいたリニューアルだろうと思います。
■渋谷駅のように運休も?最終的な切り替え作業の方法は
名鉄にも確認したところ、梅原さんの指摘したような形で工事を進めるといいます。梅原さんによると、新しいホームにつなぐ最終的な切り替え作業は、一晩では難しいということで、JR山手線の渋谷駅が線路の切り替えをした際は2日間、一部区間で運休したということです。
名鉄名古屋駅の場合は、路線が多く全線へ影響が出るため、始発や終電の時間を調整するなど、様々な手段で影響を最小限に抑えるよう行うのではないかと梅原さんは話しています。

工事は2033年度以降に新しい2本の線路が完成し、2040年代前半に4本の線路が完成する予定です。
2025年3月28日放送
(東海テレビ)