ローマ教皇フランシスコが死去したことを受け、大阪高松大司教区の大司教である前田万葉枢機卿(76)が、新たな教皇を選ぶ選挙「コンクラーベ」に出席することがわかった。
前田枢機卿は教皇の死去に当たって、「パパ様の帰天寂しや復活祭」という献句とともに、教皇との思い出について述べるコメントを発表した。
教皇の葬儀は死後4日から6日以内に執り行われ、「コンクラーベ」は遅くとも20日後までに行われる。

■前田枢機卿 教皇の死去受け 献句「パパ様の帰天寂しや復活祭」
教皇の死去に当たって、前田枢機卿のコメントです。
献句 「パパ様の帰天寂しや復活祭」
教皇フランシスコの逝去の報をうけ、非常に哀悼の思いとこれまでのお導きに感謝の思いがあふれてきました。私は、教皇に2018年に枢機卿に親任され、バチカンを訪れた際には温かく迎えていただき、まさに教父といえる存在でした。
私がまだ、広島司教だった時に、2014年に韓国で行われたアジア・ユース・デーに来られた際に日本司教団は招待をされました。
その際にお会いした時に「To Osaka, Takayama Ukon」と話され、私は何のことかわからないうちに、後日、大司教任命の辞令が発表されました。
多くの人に挨拶をされる機会が多い中で、一人ひとりのことを気にかけて話しかけられる姿に、優しさと誠実さを感じました。
また、教皇は戦争や貧しい人への思いが強かったことから、核兵器の廃絶を求める私や日本カトリック司教団の思いを受け止めてくださり、2019年に来日されたときには核兵器廃絶による平和の確立とすべてのいのちを守ることの重要性を力強く発信してくださいました。
これも、日本に訪問した時に特に伝えたいことは何ですか。との質問の中で、日本司教団が伝えたことを真摯に受け止めて発信してくださいました。
バチカンが来日を発表する前に枢機卿親任の返礼巡礼で訪れたのが、教皇の誕生日の日でした。この日に巡礼団でケーキをもってお会いする機会がありました。ケーキに喜んでくださり、私たちからの「Please Come to Japan」の呼びかけに、このケーキはある意味で「訪日の食前酒(アンティパスト)ですね」とおしゃっていただいたのを思い出します。
教皇フランシスコは、一人ひとりの声に耳を傾け、誠実に応えられる方で2021年から24年にかけて行われた第十六回世界代表者司教会議(シノドス)が、まさにその集大成だと思います。
教会のシノドス性について、司教だけでなく老若男女問わずこれからの教会全体がシノドス的な教会となるように進められました。
教皇フランシスコとの出会いは、私に大きなお恵みを与えるとともに、司教としての生きざまの模範を示してくださるものでした。これまでの一つひとつの発言を思い出しながら彼の永遠の安息を祈ってまいります。
カトリック大阪高松大司教区 大司教
枢機卿 トマス・アクィナス前田万葉