福井市の建設業「タッセイ」が、若い職人を育成するためのトレーニングセンターを
永平寺町内に整備し、21日に開校式が開かれました。育成施設を建設会社が“自前”で持つのは珍しく、人手不足という課題のある建設業界でその取り組みが注目されます。
トレーニングセンターは、福井市で建築資材や内装工事を扱うタッセイが織物工場を改修して整備しました。21日は、22日の稼働を前に、関係者らが施設の完成を祝いました。
工事を施行する職人を外注することが多い業界では珍しく、タッセイは自社で職人を約60人雇用し育成しています。背景にあるのは業界の深刻な人手不足の現状です。
タッセイの田中陽介社長は「圧倒的に若い人が入ってこない中で(高齢化で)引退する60代~70代が増えていて、5年後は今よりももっと大変だと思っている」と将来への不安を口にします。
トレーニングセンターには、木造の建築物や鉄鋼の枠組みなど実際の現場が再現されていて、タッセイの若手職人は、教官を務める親方から内装の仕上げや住宅設備の設置工事など様々な訓練を受けることができます。
職人の世界では、工事現場で仕事をしながら先輩や親方が若い職人に教えるのが普通で、このような本格的な施設を自社で持つのは珍しいということです。
田中社長は「実際の工事現場ではきれいに仕上げないといけないので、本当は『10』教えたいのに『2』か『3』しか教えられない。研修施設で全部覚えて、現場で本番という方が成長のスピードが2倍も3倍も早まると思う」と話します。
2025年、タッセイに就職した若手職人14人は、22日からこの施設で約5か月間、基礎知識や実績的な技術を学び、職人として活躍することになります。