松江市の島根県立美術館で、日本を代表する染色家・柚木沙弥郎さんの作品を集めた企画展が、4月18日から始まりました。
18日から松江市の島根県立美術館で開幕した企画展『柚木沙弥郎 永遠のいま』。
柚木沙弥郎さんは、型紙を使って模様を染めだす日本の伝統的な染色技術である「型染」の第一人者として知られる染色家で、2024年1月に惜しまれながら101歳の生涯を終えました。
会場には、代表作ともいえる染色作品をはじめ、75年に渡る創作活動を通じて制作してきた作品など約300点が展示されています。
鮮やかな赤に染められた布地に白や黄色など、カラフルな小鳥たちがかわいらしい作品「小鳥」。
同じ模様ですが、見ていて飽きてこない、不思議な魅力のある作品です。
会場にはこのほか、絵本が飾られたスペースや、立体作品が並べられた場所もあります。
このように、柚木さんは染色だけではなく、ジャンルを超えた創作活動を続けたことでも知られています。
柚木さんが97歳で制作した絵巻物「鳥獣戯画」。
ウサギを貴族、カエルを武士に見立て、平安末期の勢力争いを風刺しました。
約12メートルというスケールは、見る人を圧倒させます。
柚木沙弥郎の息子・柚木廉平さん:
父は、本当に一生懸命作品制作をしておりました。思わずにたりと笑みがこぼれちゃうような。そういう作品が結構あります。見ていただけるとありがたいと思います。
この企画展は6月16日までで、会期中には演奏会や型染体験も行われます。