関西から世界へ、出発地の選択肢が増えた。

神戸空港が18日から国際化。関西の経済をどう変えていくのか。

神戸空港
神戸空港
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■平日にもかかわらず、満席の便も

【記者リポート】「大韓航空の機体がみえました!韓国から神戸空港に到着します!」

2006年の開港以来、初の国際定期チャーター便がきょう神戸空港に就航した。

就航するのは、韓国(インチョン)・台湾(台北・台中)・中国(上海・南京)の5つの都市。週にあわせて40往復、神戸からつながる。

【韓国から到着した乗客】「大阪空港じゃなくて神戸空港にまっすぐ行って便利でした」(何が楽しみ?)「温泉!」
【台湾から到着した乗客】「とても清潔で美しい空港だと思います」(どこへ行く?)「神戸ハーバーランドに行きます」

きょう=18日は平日にもかかわらず、満席の便もあり、需要の高さがうかがえる。

“チャーター”とは言うものの、チケットは航空会社から誰でも購入可能。
神戸市民からも歓迎の声があがっている。

【神戸市民(韓国・ソウルへ旅行に行く)】「すごく助かります。できた時から国際線が来たらいいなと思っていたので。(家から)近くていいですね」

【神戸市民(韓国・ソウルへ旅行に行く)】「帰ってきた時にいつも疲れたーと言って(関空から)バスに乗って1時間以上かけて帰っていたのが、もうなくなるなと思うと今から遊び尽くせるなという気持ちで」

神戸空港
神戸空港

■かつては国際空港に反対 やっと開港も閑散...

開港から20年近くたってようやく実現した国際化。

実はその議論は数十年以上前から始まっていました。

高度経済成長に伴い、1960年代には「関西にも新国際空港を」という機運が高まりました。

利便性から神戸沖が有力視されましたが、騒音などを理由に当時の神戸市長らが反対。

結果として今の関西空港が作られましたが、阪神・淡路大震災を機に防災拠点の必要性や経済界の要望が相次ぎ、神戸空港が開港したのです。

ただ、「かつて国際空港を反対した」経緯や、「関空の需要を奪う」という懸念から国際化は見送られ、発着可能な回数や運用時間に厳しい制限が設けられました。

開港1年後にはこんな光景が。

【利用客】(どこから来た?)「新潟です」(何人乗っていましたか?)「5人。貸切かと思った(笑)」
【空港で客待ちするタクシー運転手】「ヒマです。大したこと無いよ、ここは」

開港から1年後は...
開港から1年後は...

■国際化の経済効果は104億円!

しかし、近年のインバウンド需要の高まりや、2018年の台風被害で関西空港の連絡橋が使えなくなった問題を受け、神戸空港も国際線の役割を担うことになりました。

ひょうご経済研究所によると兵庫県内の経済波及効果は104億2900万円にのぼるともいわれる神戸空港の国際化。

きのう=17日、空港近くにある神戸ポートピアホテルを取材すると台湾からの団体客の姿が。帰国の便は、さっそく神戸空港を利用するそうです。

【台湾団体客の添乗員】「台湾からも、神戸市内の観光とか1泊2泊の団体は増えます。姫路城はすごく有名なので、神戸のこの地方のこともすごく知っています」

ホテル側も国際化を見据え、去年、外国人観光客向けのスイートルームを新設。
すでに韓国からの団体客の予約は去年の倍以上に増えているといいます。

【神戸ポートピアホテル山口萌さん】「宿泊拠点、滞在地を京都や大阪にして、日帰りで神戸に遊びにくる外国人観光客が多かった。神戸を拠点というのを今後拡大させていけたらという期待はあります」

空港近くのホテルはインバウンド客に期待
空港近くのホテルはインバウンド客に期待

■慢性的な混雑のポートライナー 新たにバスのアクセスも

一方、取材を進めると課題も見えてきました。
それは、空港へのアクセス。

神戸空港に行くには電車だとポートライナーのみ。
三宮駅から18分で着きますがきのうの朝、三宮駅を取材すると…

【記者リポート】「列車が来ましたが多くの人が乗り込み、まさにぎゅうぎゅうの状態です」

通勤ラッシュ時にはすでに多くの人が…。
ここに国際線を利用する客が大きなスーツケースを持ち込むと、混乱も懸念されます。

混雑の対策として期待されるのが「バス利用」です。

【川嶋雄一郎さん・神戸市未来都市推進課】「国際チャーター便就航によって朝の通勤時に乗られる方が増える可能性が高くなってるので、神戸市としてはバスも活用してもらいたいと広報している」

朝のポートライナー三宮駅
朝のポートライナー三宮駅

しかし、国際化初日のきょう=18日、バス乗り場には人が少なく...

【台湾からの観光客】「ポートライナーにのって三宮にいきます」(Qバスでも三宮にいくことできますが…)「そうですか!?じゃあバスに乗りましょう」

国際空港としての一歩を踏み出した神戸空港。

課題はあるものの、地元の期待は高まっています。

(関西テレビ「newsランナー」2025年4月18日放送)

期待はふくらむ
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関西テレビ
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