4月から食品や光熱費が値上がりした。値上げの日々をどう賢く生き抜くか、ファイナンシャルプランナーの二宮清子さんに「節約術」を聞いた。一方で二宮さんは、値上げを機会として「飽食の時代」を見直し、持続可能な社会につなげる機会にすることも提案している。

4月から値上がりしたものをひとつずつ見ていく。まず「食品」は、4225品目が値上げとなった。主なものを見てみると…味噌やドレッシングなどの「調味料」が2034品目。缶ビールやコーヒーなどの「酒類、飲料」が1222品目。ハムやソーセージ、冷凍食品などの「加工食品」が659品目。

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Q.なぜ値上がりした?

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
原材料費や人件費・物流費などの上昇が値上げの大きな要因になっている。1月、4月、10月は価格改定の時期でもある。

総務省の家計調査を見てみると、2015年は平均7万8143円だった1カ月の食費が、2024年には8万9936円に増えている。2021年まで金額は変わらなかったが、2022年以降は毎年、大きく上昇している。

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
2022年は急激な円安や、ロシアのウクライナ侵攻、さらに新型コロナが明けて世界経済が回復し需要が増えたことなどが原因で、値上げラッシュが始まった。

それぞれの年の値上げ品目数を見ると…

2022年…2万5768品目
2023年…3万2396品目
2024年…1万2520品目

そして2025年は、9月までに公表されている分だけで、1万1700品目と、すでに前年の9割に達するなど、値上げの勢いが強まっている。

さらに、食品だけでなく光熱費も4月から値上がりする。

4月からの光熱費(1ヶ月の使用料金)
電気代… 7671円 ※448円値上がり(標準家庭 夫婦+子供2人)
ガス料金… 5165円 ※119円値上がり(標準家庭 夫婦+子供2人)
水道料金… 6147円 ※757円値上がり(宮崎市:一般的な20㎥使用家庭)

Q.電気・ガス・水道と全て値上がりする理由は?

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
電気・ガス …政府の補助終了と再生エネルギー普及のための賦課金の増額
水道 …人口減少による減収や老朽化した上下水道管など施設の更新

Q.あらゆるものが値上げになる中、対策は?

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
値上げ対策をお話しする前に、まず皆さんが意識を変えることが大切。日本は「デフレ」から、物価が上がり続ける「インフレ」に変わった。デフレ時代は「安くなってから買えばいい」「安くなるまで待とう」。インフレになると、いくら待っても値段は下がらない。逆に待てば待つほど値段は高くなっていく。

二宮さんは、「価格に似合った価値があるか、長持ちするか」をよく考え、必要なものは早めに購入し、値上げリスクを考慮することも必要と話す。デフレ時代の価値観を持ち続けていると、インフレでは損をする可能性があるので、時代に合った金銭感覚を持った方がよいとしている。

様々な節約術

生活の中で節約を考えていく事も大切だ。まずは「食費の節約」について。買い方の工夫「どこで買うか」「どう買うか」が重要で、買うものによってお店を使い分けることで食費を抑えられる。

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
業務スーパー・ディスカウントストアは、大量買いでの冷凍保存向き(肉・魚・野菜などまとめ買い&冷凍)。調味料、缶詰など長期保存可能な物を安い時に確保。

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
ドラッグストアは、食品が安い!牛乳、卵、冷凍食品がねらい目。食品と日用品を一緒に購入しポイントをためる。スーパーは、特売日やタイムセールを狙って購入。地元の野菜コーナーを利用。 

その他「ふるさと納税」を利用したり、パスタや大豆製品など値上がりの影響が少ない食品を活用するのもよい。

光熱費の対策は…

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
・電気の節約
 冷蔵庫の設定を「強」→「中」にする
 待機電力のカット(使わない家電はコンセントを抜く)
 節電を心がけ、料金プランの見直しも

・ガスの節約
 節水できるシャワーヘッドを使う
 鍋の底に合った適切な火加減
 下茹でを電子レンジで行う
 電子レンジ、圧力鍋で時短料理をする

その他、様々な節約アイデアがある。

金利上昇も気になる

4月から金利が上がったことで住宅ローンも気になる。

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
4月から住宅ローン金利が上がり、今後も上がり続けると言われている。ただ、現在も7割以上の人が利用している変動金利を見ると、まだ1%前後と、そこまで高くなっているわけではない。今後金利がさらに高くなった時のために、まとめて支払いできるよう貯蓄を増やしておくことが大切。

最後に、二宮さんから視聴者へ

ファイナンシャルプランナー 二宮清子さん:
食料品の値上げは家計には厳しいと思うが、一方で「飽食の時代」を見直す機会にもなる。本当に必要な分だけを考えて買う事で、食品ロスを減らしたり外食や加工食品に頼らなくなることで、食生活の見直しにつながる。

様々なものの値上げは負担に感じるとは思うが、「必要なものを適量だけ買う」「食材を大切に使う」といった意識が広がれば、良い食生活に繋がったり、持続可能な社会につながるかもしれない。

<二宮清子さん> ※過去のコピペです。最新情報分かれば教えてください。
宮崎市在住のファイナンシャルプランナー。「合同会社リーフ」代表。
生活総合情報サイト「オールアバウト」では、家計簿・家計管理のガイドを担当。
赤字家計を脱出した自分の体験から、節約や家計簿についてのアイデアを発信している。
2023年度「金融知識普及功績者表彰」(金融庁、日銀主催)

(テレビ宮崎)

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