世界一の“還暦ボディビルダー”。2024年、長野県上田市の男性が60歳以上級の世界大会で見事、優勝を果たした。しかし、その結果に満足せず、飽くなき向上心で次の目標に向かってまい進している。
60歳以上級の世界大会で優勝
筋力トレーニングに一心不乱に取り組み、鍛え上げられたボディ。体脂肪率はなんと3%。
上田市の鷲巣国彦さん60歳、還暦のボディビルダーだ。

鷲巣さんは、2024年12月に東京で開かれた鍛え上げた肉体の美しさを競うボディビルマスターズ60歳以上級の世界大会に出場し、見事、世界一に輝いた。
鷲巣さんは「こんないいステージ立てて幸せだと思いましたし、優勝できたというのは本当にいい思い出になりました」と誇らしげに話した。
還暦を過ぎても「成長を感じる」
競技を始め20年以上、悲願の世界チャンピオンに輝いた鷲巣さん。しかし、この結果に満足はしていない。
トレーニングは1日2時間を週6回。鷲巣さんは、自らが経営するジムで会員と一緒に切磋琢磨して体を鍛え上げている。
この日は、胸の筋肉のトレーニング。入念に計画を立て、各部位を徹底的に鍛え上げる。

なぜ、ここまでストイックにできるのか?
鷲巣さんは「体が少し成長している、伸びている実感があるので、それが励みになっている」と話す。
還暦を過ぎてもなお、成長を感じられることが厳しいトレーニングを続ける原動力となっているようだ。
外食は日曜日だけ
さらなる高みを目指し、食事にも人一倍、気を使っている。
「食事もトレーニング。筋トレと食事は常にセットで考えていかないと筋肉もちゃんと育たない」

この日のメニューは、ゆでた牛肉とブロッコリー、玄米のご飯だけ。カロリーを抑え、バランスの取れた食事を心がけている。外食は、練習がオフの日曜日だけという徹底ぶり。
鷲巣さんは「こだわりはとにかく栄養を考えたもの、そこだけ。おいしく食べようという意識は全くない。だから日曜日が楽しみで、ちょっと人間らしい食事になるので」と笑みを浮かべる。
ジムの会員にも大きな影響
鷲巣さんの姿勢はジムの会員たちにも大きな影響を与えている。

75歳の会員は「先生自身がストイックにやっているので、それを見ているだけで勉強になる」、また大学3年生の会員は「憧れです、世界一になったりして。鷲巣さんのようにいろんなところで活躍できるようになっていきたい」と話す。
リベンジ誓う「負けません」
飽くなき向上心で挑戦を続ける鷲巣さん。次の目標は、8月に開かれる「日本マスターズ選手権」での優勝だ。

鷲巣さんは、「今年はもう負けません。筋肉って、唯一老化に抗える“臓器”っていわれているので、それを自分がやることで体現して、『やっていくと若くいられるんだよ』という見本になりたい。今はまだまだ進歩していこうと思っています」と話し、2024年、2位だった大会でのリベンジを誓う。
(長野放送)