福井県内では15日夜、雷を伴ってあられやひょうが降る所もありましたが、16日は天気回復しました。今回の「天気のギモン」では「春の天気はなぜ変わりやすい?爆弾低気圧も」をテーマに村田光広気象予報士が解説します。


村田光広気象予報士の解説

この時期の天気が変わりやすいのは、低気圧と高気圧が交互に通過するからです。低気圧は南から暖かい空気、北から冷たい空気を取り込んで発達します。低気圧のエネルギー源は、暖かい空気と冷たい空気の「温度差」で、その差が大きければ大きいほど発達します。
  
この時期は冬の空気と初夏の空気、両方が日本付近にあるため低気圧が急速に発達し「爆弾低気圧」と呼ぶこともあります。

過去の事例では2012年4月3日、日本海で低気圧が急速に発達。福井市で最大瞬間風速 30.9m/sを観測しました。春の発達した低気圧は台風並みの暴風となり、大きな被害をもたらすことがあります。

春は低気圧と高気圧のせめぎ合い

低気圧は上空の偏西風に乗って東に移動します。低気圧が移動した後は、西から高気圧がやってきます。低気圧は、通過した後に冷たい空気をもたらしますが、高気圧が大陸から乾いた春の空気を運んできます。
  
日差しが強いと気温がぐんと上がります。こうやって低気圧と高気圧が交互に通過することで温度調整を行います。この時期の低気圧と高気圧はセットなのです。

日本列島付近の2つの高気圧

なぜ、日本列島を低気圧と高気圧が交互に通過するのかというと、2つの高気圧がポイントになります。2つの高気圧とは、冬の厳しい寒さと大雪をもたらす「シベリア高気圧」と、夏の猛暑をもたらす「太平洋高気圧」です。
 
この時期は2つの高気圧の勢力が拮抗していて、ちょうど日本列島付近に隙間ができ、低気圧と高気圧の通り道ができているイメージです。
 
シベリア高気圧や太平洋高気圧はほぼ同じ位置に停滞していますが、日本付近を通過する高気圧は西から移動してくるので「移動性高気圧」ともいいます。

今週は短い周期で天気が変化

高気圧が通過するときは晴れ、低気圧が通過するときは雨が降ります。17日は高気圧に覆われますが、18日夜から19日朝にかけて日本海を低気圧が通過。19日の日中は一旦、高気圧に覆われますが、20日は再び低気圧が通過します。
 
21日は高気圧に覆われて天気が回復しますが、22日、23日には再び低気圧がきて、雨が降るでしょう。
 
2~3日の周期で天気が変わる場合が多いのですが、今週は短い周期で天気が変わりそうです。注意が必要なのは、雨予報の翌日の気温が極端に低くなっている場合です。そのような場合は低気圧が発達し「爆弾低気圧」となることがあるため注意が必要です。
 

福井テレビ
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