元幹部職員2人による汚職が発覚した福井市。小寺正樹元副市長は、市の福祉部長だった3年前、市の福祉事業に関する情報を市の元職員で社会福祉法人の70代の男性職員に漏らしたとして、2024年10月、地方公務員法違反の疑いで書類送検されました。小寺元副市長は3月末で辞職し、4月に罰金命令が出されました。また、2023年12月の福井市長選挙をめぐり、西行市長の個人演説会に市職員を動員したとされる前田和宏元福井市企業局企業管理者は、公職選挙法違反の罪で罰金命令となりました。
こうした事態を受け、市役所外部のメンバーが事実関係や市の対応を検証し、西行市長の責任や再発防止策について調査する倫理委員会が16日に開かれました。委員会では、8月中をめどに報告書をまとめる考えです。
この倫理委員会は、弁護士や学識経験者ら5人で構成され、西行市長の要請を受けて開かれました。福井市の倫理委員会は2005年に設置されていますが、市長の要請によって開かれるのは初めてです。
今回の委員会は、メンバーの一人である市の総務部長は調査に加わらず、市役所外部のメンバー4人で調査を進めることが決まり、非公開で行われました。
終了後、清水健史委員長は、今後は月に1回ほどのペースで委員会を開くとした上で「できる限り早く調査していきたいと思っているが、慎重な調査も必要なので両立してやっていく。今のところ目標としては、8月中には最終報告を出せるような形で進めていければ」と話しました。
また、元特別職の当事者2人や関係者にもヒアリングで事実確認を行うとし、必要があれば市役所の組織体質にも踏み込んで調査する可能性も示唆しました。「事件に限るものではなく、再発防止策を提供するために必要な十分な範囲で調査対象を広げることもあり得る」としています。
西行市長は、この委員会での調査結果を踏まえて自身の処分を決める考えを示していて、報告の内容が注目されます。