トランプ関税を巡る注目の日米交渉に向けて日本の交渉役がワシントンに向けて出発しました。
トランプ関税の影響が広がる中で、日本を訪れる外国人観光客にある変化も起きているようです。

首相官邸内の小ホールに小走りで現れた石破首相。
アメリカ議会の日本研究グループ議員団の表敬訪問を受けていました。

日米の友好ムードに包まれる中、石破首相は、この表情。
ワシントンで始まるトランプ関税を巡る日米交渉の行方が頭をかすめていたのでしょうか。

その交渉役・赤沢経済再生担当は「どんな分野が対象になるか、相手もあることですし、交渉の内容に関わることなのでコメントは差し控えさせていただきたい」と述べました。

赤沢大臣とアメリカ・ベッセント財務長官らとの間で日本時間の17日から行われる協議。
果たして、どの分野が交渉のテーブルに乗るのかも関係者にとって大きな関心事です。

「イット!」は、新潟県にある米の販売加工業者に話を聞きました。

エコ・ライス新潟 豊永有代表:
振り回されています。(トランプ大統領のニュースを)夜中起きて見ています。寝不足になります。

エコ・ライス新潟は2018年からアメリカへ米を輸出し始め、輸出先の7割をアメリカが占めるまでになりました。
しかし、トランプ関税の発動で、2025年度アメリカへの輸出をゼロにすることを決定。

それ以降の輸出をどうするかは日米交渉の結果も見て判断したいといいますが、米の関税が協議されるかどうかも不透明なままです。

エコ・ライス新潟 豊永有代表:
10%で行くのかプラス24%で行くのかはっきりしてもらわないと対応できない。時間との勝負になっています。

交渉の可能性があるのは特定の業種にとどまりません。

赤沢大臣の交渉相手であるベッセント財務長官は円とドルの為替について、「関税・非関税障壁・為替問題を巡る今後の建設的な協議に期待します」と言及。

円高ドル安を進めたいとされるトランプ政権。
この半月余りで、為替市場では円高が加速しています。
その影響は日本を訪れる外国人観光客にも微妙に表れ始めています。

東京都庁の展望台に向かう人の大行列。
にぎわいを見せているのは無料で東京の景色が一望できるためでしょうか。

外国人観光客の皆さんにトランプショックが影響しているか聞いてみると、「多分ちょっとはね。みんなお金を何に使うか、もうちょっと慎重になったほうがいい」「買い物するよりも観光して思い出を持ち帰りたいね」「今はそんなに変わってないと思うが、6カ月後が心配だよ」と答えました。

日米交渉で「ドル高の是正」が議題に上った場合、その結果次第では、こうしたインバウンド客の動向に変化を及ぼす可能性も。

日米両国が何を話し合うのか注目が集まります。