福井商工会議所は15日、現役アスリートの引退後の就職支援などを行うセカンドキャリアセンターを立ち上げ、県や経済界、スポーツチームと連携協定を結びました。
福井商工会議所が立ち上げた「福井県アスリートセカンドキャリアセンター」は、企業の人手不足対策として第一線を退いたアスリートが県内で就職できるよう選手と企業のマッチングを支援するものです。
15日に開かれた連携協定式では、県と県経済団体連合会、福井ブローウィンズや福井ユナイテッドなどの県内5つのスポーツチームの代表が協定書に署名しました。
県と経済界、スポーツチームが連携してアスリートのセカンドキャリアを支援する取り組みは、全国で初めてです。
センターの事務局は福井商工会議所内に置かれ、現役アスリートの登録やアスリートの採用を考える県内企業の登録を進めていくということです。
福井ユナイテッドの服部順一GMは「全国で仕事をしてきたが、ここまで官民でスポーツやアスリートに目を向けて活動する機会に立ち会ったことはない。選手たちの人生がよりよくなるように協力していきたい」と話しています。
また、福井ユナイテッドの北脇選手は「先輩方が苦労している話も聞いていた。自分も30代になって引退も見えているので、自分のセカンドキャリアの不安を解消できたらと思っている」、ヴェルコスタ福井の三谷選手は「現役の選手がよりよい選択ができる仕組みができたらよい。この取り組みにより全国からチームにいい選手が入ってくれたら」と期待しています。
福井商工会議所によりますと、現役選手の時点からセカンドキャリアを見据えた就職相談ができる環境も全国初だということです。福井商工会議所創業・経営支援課の水野洋人課長は「まずは、県内のチームで成功事例を作り、ゆくゆくは全国から福井はいいところだと知ってもらい来てもらえるような形になれば」と話しています。
選手の現役引退は、競技にもよりますが、男性は30代前半が多く、その後の人生の方が長くなります。競技引退後のセカンドキャリアを考えるアスリートにとっても、人手不足が深刻化する企業にとっても、さらにチームに多くの選手を呼び込みたいチームにとってもメリットがある仕組みとして、期待されます。