岩手県の盛岡市と滝沢市の小中学校で、20代~60代の教職員57人が腹痛やおう吐などの症状を訴え、盛岡市保健所が調べた結果、ノロウイルスによる集団食中毒だと判明しました。
市保健所は、岩手県盛岡市にある食品営業施設が調理した弁当が原因と断定し、この施設に4日間営業を停止する行政処分を下しています。
盛岡市保健所によりますと、4月10日の午前8時40分ごろ、盛岡市教育委員会から「おとといの昼に仕出し弁当を食べた複数の教職員が、下痢やおう吐の症状を訴えている。食中毒の疑いがある」と盛岡市保健所に連絡があったということです。
市保健所が調べた結果、症状を訴えている人の共通点は、入学式が行われた4月8日または9日に、岩手県盛岡市緑が丘の食品営業施設「オガタ商店」で調理された仕出し弁当を食べていたことだと判明。
この弁当は、岩手県盛岡市内の4つの小学校と、岩手県滝沢市内1つの中学校の教職員合計114人が食べたことがわかっていて、4月11日時点で半数にあたる57人が吐き気や腹痛などの症状を訴えていたということです。
57人の教職員に入院している人はおらず、全員が回復傾向だということです。
複数の教職員とオガタ商店の調理従事者の便からはノロウイルスが検出されたほか、医療機関から食中毒患者の届け出があったことなどを受け、盛岡市保健所はオガタ食品で調理された弁当が原因となった食中毒と断定。
調理従事者の手指から弁当を介して、ノロウイルスが教職員に感染したとみられています。
このため盛岡市保健所はオガタ商店に対し、食品衛生法に基づき4月14日から4日間、営業停止の処分としました。
盛岡市保健所は営業停止期間最終日の4月17日にオガタ商店の立ち入り検査を行い、施設の管理状況に問題がないかなどを確認するということです。
食中毒になった57人の教職員が勤めている合わせて5つの小中学校は、4月14日、または15日まで、それぞれ休校の措置が取られています。
この上で盛岡市保健所はノロウイルスの予防対策として、
1食品の十分な加熱(中心温度85℃~90℃で90秒以上)
2調理従事者の健康管理の徹底
3食品の衛生的な取り扱いの徹底(手洗い・手袋の使用・まな板の使い分けなど)
以上の3つを挙げ、注意を呼びかけています。