セルフレジに1円玉を数十枚超投入し、故意に停止させる動画が拡散した。
法定上、一度に使用できる同一硬貨は20枚までで、店は使用拒否が可能だ。弁護士は、器物損壊罪の可能性を指摘。
投稿者はSNSで謝罪したが、番組の取材には応じなかった。
1円玉大量投入でセルフレジが停止
セルフレジにわざと不具合を起こさせる迷惑動画が、SNSで拡散されている。

「お買い上げ金額は58円です。現金をお入れください」とアナウンスするセルフレジに、1円円玉ばかりを投入する撮影者。不具合の原因は、この大量の1円玉だ。撮影者は、ポケットからさらに1円玉を取り出し、どんどん投入していく。

次々とセルフレジへ吸い込まれていく1円玉。すると、会計が終わると同時に、セルフレジはエラーを起こし「ご利用ありがと…」と言った後、止まってしまった。
同一人物によるとみられる迷惑行為は、他の店でも確認されていた。こちらのセルフレジには「小銭のお支払いは20枚まで」と注意書きがあった。
会計金額は79円。しかし、投入されたのは、紙幣も含めた4085円もの金額だった。

セルフレジは「係員がまいります。しばらくお待ちください」とアナウンス。店員の対応によって返却口から大量の1円玉が戻ってきたが、撮影者は再び大量の1円玉を投入口へ。セルフレジは、またも停止してしまった。
店員は「硬貨は20枚まででお願いしますね」と注意した。
セルフレジの限界を超え、投入された1円玉。
そもそも一度に使用できる同一硬貨の数は、法律で20枚までとなっている。そのため、21枚以上になると店側は使用を拒否することができるのだ。
注意無視は器物損壊の可能性も
しかし撮影者は注意書きを無視し、数十枚もの1円玉をセルフレジに入れ、不具合を意図的に起こしていたとみられる。

弁護士は、繰り返された迷惑行為について、罪に問われる可能性を指摘する。
橋下綜合法律事務所・松隈貴史弁護士:
注意書きがあるにも関わらず、大量の硬貨を入れたとなると、まずは器物損壊の故意が非常に認定されやすくなるので、成立する可能性が非常に高まる。
また店側は、こうした迷惑客に対して出禁にすることもできるという。

迷惑動画が撮影された、イオンなどを運営するイオンリテールは「硬貨の大量投入は、機械の故障や他のお客さまのご迷惑となる場合がございますので、スムーズなご利用のため、硬貨は枚数制限をお守りいただくようご協力のほどお願いいたします」とコメントしている。
イット!は動画の投稿者に取材を申し込んだが、現在までに返信はない。
一方、投稿者は動画の拡散を受け「お客様並びに店舗にご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申し上げます」とSNSにコメントしている。
(「イット!」4月14日放送より)