新年度が始まって2週間がたち、疲れがたまりやすいこの時期。春のストレスケアについて予防や対処法などを専門医に聞きました。
福山千奈アナウンサー:
「最近春らしい陽気が続いていますね。期待が高まる一方で慣れない環境にストレスを抱えている方も多いのではないでしょうか」
春のストレスケアについて話を聞いたのは、福仁会病院の高島康浩医師です。(※高島医師の高ははしご高)
高島医師は「春は就職や転勤、異動が多く、環境の変化が大きいのでストレスや疲れがたまりやすく特に注意が必要な時期」と注意喚起します。
月別の自殺者数のグラフをみると、最も多いのは4月、次いで3月となっています。春は生活環境や気候の変化などが影響してストレスがたまりやすく、最悪の場合はうつ病を発症させ自殺に至るケースも多いといわれています。
うつ病は、気分の落ち込みや意欲の低下、集中困難、不安やイライラといった症状がみられます。身体的な影響としては不眠や食欲の低下が多く、倦怠感や動悸、頭痛といった症状がみられます。
近年は高校生などの若い人から高齢者まで幅広い年齢層の患者が多いということですが、特に多いのは中高年世代、高島医師は「40代、50代で仕事が忙しく、介護の問題を抱えて受診する人は多い」と話します。
また、進級や進学などによる生活環境の変化や寒暖差による持病の悪化など、年齢によって原因は様々です。
予防法について高島医師は「睡眠をしっかりとって規則正しい生活を心がけること。食事をきちんととって、身体を動かし、寒暖差に気を付ける、日光を浴びるなども良い」とします。
規則正しい生活を送ることがストレスを減らす第一歩だということです。しかし、環境や気温の変化により気が付かないうちに心と体に大きな負担がかかるのもこの時期の特徴です。
福山千奈アナウンサー:
「周りの人の変化に気づいたときは安心できるような声掛けが必要です。ですが励ますような言葉には注意しましょう。」
「いつでも話を聞くよ」「少し休んでみたら?」「自分のペースでいいよ」などの安心させる言葉は効果的ですが、「頑張ってね」「早く良くなってね」などの励ましの言葉は、かえってプレッシャーを与えてしまう恐れがあるため控えた方が良いといいます。
高島医師は「うつ病は春と秋が多いが年中ある。春だけ乗り切れば良いというわけではないので基本的に治療が必要」と話しています。