コンビニ大手「ファミリーマート」の店内に出されている張り紙が話題となっている。

“お客様へ”と書かれた張り紙には、「キャッシュレス決済は店舗手数料負担が極めて大きくなっております」とある。
現金もしくはファミリーマートのバーコード決済「ファミペイ」での支払いを促す内容だ。

この張り紙について、SNS上ではさまざまな意見が上がり、街の人からは「最近だとあんまり(現金は)使わないですよね。小銭とか出ちゃうと大変だから」との声も…。
決済手数料負担の軽減のために案内
いったいなぜ、このような張り紙を出したのか。

ファミリーマート本部に取材すると、「現金やファミペイに決済手段を限定するものではない」としながらも、「決済手数料負担の軽減のため、お支払いを現金もしくは決済手数料が少額なファミペイでのご利用をご案内しております」とコメント。
コロナ禍をきっかけに広まったキャッシュレス決済。
経済産業省は、2024年のキャッシュレス決済比率が政府目標の4割を達成したと3月末に発表するなど、多くの店舗に導入されている。
おにぎり店「やめられないのが現状」
そんな中、キャッシュレス決済の手数料負担について、頭を悩ませている店舗も少なくないという。

都内で営業するおにぎり店「戸越屋」では、物価高の影響で米や具材などの仕入れ値が2024年の倍近くにまで高騰。
支払いの半分近くになったというキャッシュレス決済をやめることも社内で検討したというが…。

戸越屋・木本英二管理部長:
時代の流れで、どうしてもやめられないというよりも、世の中の方が使っているところが多い。やめようにもやめられないというのが現状です。
キャッシュレス決済をやめるスーパーも
その一方で、宮城・仙台市にあるスーパー「生鮮館むらぬし」では、4月からすべてのキャッシュレス決済を取りやめた。

やめた代わりに、4月1日から10日間にわたり1%オフのキャンペーンを実施したという。

生鮮館むらぬし・村主芳治社長:
キャッシュレス決済で、うちがカード会社に支払っていたお金をそのままお客さんに還元しようということで始めてみました。
1円でも1%でも安く、もう物価高で本当に5%とか10%と上がってしまって…。その中で少しでも安くした方がお客さんのためになるというか自分たちのためにもなる。
専門家「いわばやむを得ない」
なお専門家によると、一般的なキャッシュレスの手数料は2〜3%程度で、決して高いものではないという。

I Tジャーナリスト・三上洋氏:
キャッシュレス決済、実際には複数の事業者が入っています。決済代行会社、QRコード決済、銀行やクレジットカード。こういった会社で分け合う形になっているので、いわばやむを得ない。そんなに多くもうかっているわけではないということですね。
(「イット!」 4月14日放送より)