福島県福島市中心部では、約2万羽のムクドリが夕方になると集まってくる。約15年前から悩まされているムクドリの被害。9月15日。福島市中心部でムクドリの追い払い大作戦が行われた。

とてつもない数で群れをなすムクドリ。行きついた先は、JR福島駅前。夕方を過ぎると大音量で鳴き響く。その音に街の人は「どうしようもないね、なんともね…」と話す。

さらに悩まされているのがフン害。そこで福島市が呼んだのは「最強の専門家」信州大学の中村浩志名誉教授。鳥のスペシャリストが、2万羽のムクドリを追い払う。

信州大学 中村浩志名誉教授:
繁華街は決して夜眠るのに安全な場所じゃないぞと教えてやります。出来たら1日か2日で、福島駅前からムクドリを完全に追い払いたいと思います

長年、ムクドリと戦ってきた福島県。20年前の会津若松市で行われたのが、ムクドリが嫌がる、天敵に襲われた時の悲鳴を流し、追い払おうとしたが1週間対策を講じるも、目立った効果は出なかった。

同じ悩みは2004年のいわき市でも…

警備員:
朝1時間もかかるんだからね、ここ掃除するの

運動会などで使うスターターや棒でムクドリを追い払うも全てがいたちごっこ。時には、ムクドリがつついたことで変圧器のリード線が出火し、停電が発生したこともあった、ムクドリ被害。

2016年、会津若松市では、大規模な追い払い作戦を展開。その作戦を指揮したのも、信州大学の中村浩志名誉教授だった。最強の助っ人の力を借りて、福島市の作戦を成功に導くことはできるのか。

福島市の作戦も期待が高まるが、まずは天敵であるタカのはく製を木の上に設置。それに反応するようにカラスが集まりだした。警戒するようにムクドリも次第に集まる。ここから本格的な作戦がスタートする。
拡声器で天敵のタカやフクロウの声を流し、ロケット花火で追い払う。これを地道に繰り返すことで追い払うということができるというが、ムクドリと福島市の最終決戦は始まったばかりだ。

ムクドリはどんな鳥?

また、ムクドリとはどんな鳥なのか。福島県福島市の「小鳥の森」のレンジャー・細井俊宏さんによると、毎年8月くらいになると、ムクドリは市街地にやってくる。
夕方、”ねぐら”として市街地の街路樹や電線にやってきて一夜を過ごし、朝日とともに飛び立つ。河川敷や畑で虫や木の実を食べて、夕方にまた戻って来るというサイクル。

畑の害虫を食べることから、「益鳥」とされていたが、ここ最近は「害鳥」のイメージが強い。
年間の習性としては、4月あたりに卵を産み、5月~6月に巣立ち、7月には雛も一人前になる。巣作りも本来はきつつきの古巣などで行われてきたものが、今は民家や屋根の隙間で巣作りされているそう。

では、なぜ市街地に来るのか。「小鳥の森」のレンジャー・細井俊宏さんは「ムクドリは強い鳥ではない。安全な場所で群れを作ることで天敵から身を守りながら休むため」と話す。天敵としては、タカやフクロウなどの猛禽類や、地上でも猫やキツネがいるので、木の上に行きたがる。冬場は落葉し天敵に見つかりやすくなるため、安全な市街地で群れを作ることで監視の目を増やすという。

また、細井さんは「福島市は街なかの周囲に果樹も多く、街の生活に適応するようになってきたのでは」と話す。

(福島テレビ)