セブン‐イレブンがコンビニカフェで淹れたての紅茶を提供する。茶葉から淹れる本格仕様で、ダージリンなど3種から選択可能だ。コーヒーと同価格帯で提供し、紅茶派や新規客の取り込みを狙う。専門家は「生活シーン」や「価格の選択肢」の拡大による範囲の経済が、今後の成長につながると期待する。
紅茶と焼き立てパン・焼き菓子で幅広いニーズ対応へ
コンビニカフェに新メニューが登場。店頭で淹れたての紅茶を提供する。

丹羽うらら記者:
埼玉・加須市のセブン‐イレブン加須琴寄店では、スムージー・コーヒーに並んで、専用の機械で紅茶を淹れられます。

「コンビニコーヒー」の草分け、セブン‐イレブンが、これまで一部店舗でテスト販売していた紅茶を本格導入する。

ティーバッグではなく、こだわりの茶葉を使用し、茶葉はダージリンブレンド、アッサムブレンド、アールグレイの3種類から選べる本格派だ。

ボタン押すと、茶葉を入れ、蒸らして抽出し、約1分30秒で完成する。

丹羽うらら記者:
口の中いっぱいに香りが広がって、コクもしっかり感じられます。

価格は、ホットティーRサイズが税込み120.96円、Lサイズが180.36円。
ホットミルクティーがRサイズが税込み190.08円、Lサイズが250.56円。
アイスティーRサイズが税込み120.96円、Lサイズが210.60円。
アイスミルクティーがRサイズが税込み240.84円、Lサイズが300.24円と、コーヒーと同じ価格帯で、コーヒーを飲まない層にもアピールする狙いだ。

セブン‐イレブン加須琴寄店・糸井健二オーナー:
品揃えを変えることによって、さらにこれから新しいお客様に来ていただいて、セブン‐イレブンってこんなのあったんだとか、そういうものに気付いていただければ良い。

さらに、パンや焼き菓子など出来立て商品を提供する「セブンカフェ ベーカリー」も随時拡大中だ。新しい客層を掴むことに成功している。

セブン‐イレブン ジャパン 商品本部 次世代商品開発 チーフマーチャンダイザー・櫻井宏子さん:
若い主婦の方を中心に、新しく購入いただいています。今、埼玉県でテストをしているお店の平均では、(紅茶とベーカリーを合わせて)売上がプラス3.2%と非常に好調な状況です。

紅茶の導入は、2026年2月末までに全国で2000店舗に順次拡大し、セブンカフェベーカリーのオーブンは、2025年度中に全国で1万2500台に拡大する予定だ。
「コンビニコーヒー」の販売数で日本一を誇るセブン‐イレブンが、紅茶の本格導入で、さらなる売上向上を狙う。
「選べる楽しさ」範囲の拡大で成長狙う
「Live News α」では、デロイトトーマツグループ執行役の松江英夫さんに話を聞いた。
海老原優香キャスター:
コーヒーに続き、本格的な紅茶を提供するということですが、どうご覧になりますか。

デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
楽しみですよね。紅茶はコーヒーと違い、朝や昼だけじゃなく、午後にリラックスしたい時間帯のニーズを取り込んだり、スイーツとまとめて一緒に買うといった意味で、客単価の増加にも、期待が持てると思います。
海老原キャスター:
利用する側にとっては、選択肢が増えて嬉しいですよね。
デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
そこが大事なポイントです。コンビニのこれからの成長は、まさに選択肢の範囲を広げる「範囲の経済」にあると思います。
この「範囲の経済」というのは、商品やサービスのラインナップの幅を広げて、範囲を拡大することによって、経済性を求めていこうといった考え方です。
コンビニは、限りある店舗の中でも、多様なお客さんの多様なニーズにいかに応えられるか。そこにおける「範囲の経済」の競争になっていきます。
価格と生活シーンを広げて魅力強化へ
デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
最近は特に物価高ですから、大事なのは「価格」の範囲をどう広げるか。例えば、最近は一定の金額の中でも量を増やして割安感を出していったり、逆に、高級感を高めるために、色々な演出をするプレミアム商品は、一つの範囲の拡大です。

海老原キャスター:
「生活のシーン」については、いかがですか。
デロイトトーマツグループ執行役・松江英夫さん:
「生活のシーン」は、消費者の多様な生活のシーンを全て囲っていこうということです。
例えば、店舗で出来立てのものを食べたり、職場や自宅に持ち帰って、安心してゆっくり食べられるヘルシー志向や、癒しのスイーツだったり。こういったところも一つの「生活シーン」の拡大には寄与すると思います。
「価格」と「生活シーン」の幅を広げることで、「範囲の経済」を利かせていくアイデアが、続々と生まれることによって、コンビニがさらに魅力的になるような展開に期待したいと思います。
海老原キャスター:
コーヒーよりもカフェインを少し控えたいという方や、紅茶が好きな方の選択肢が広がりそうですね。
(「Live News α」4月4日放送分より)