脱炭素社会の実現に向け、島根県奥出雲町が東京の大手自動車リース会社と連携して、中古の電気自動車の活用を進める実証実験を始めることになりました。

実証実験を始めるのは、奥出雲町と奥出雲町が出資する新電力会社「奥出雲電力」、東京の自動車リース大手「住友三井オートサービス」の3者です。奥出雲町役場で4月2日、実証実験の開始セレモニーが行われました。3者は、2025年1月に連携協定を結び、「ゼロカーボン・ドライブ」、太陽光や風力など、再生可能エネルギーを使って発電した電力と電気自動車などを活用して、走行時の二酸化炭素排出量ゼロの実現を目指します。
実証実験では、住友三井オートサービスが中古の電気自動車”リユースEV”を、町の公用車として2台を有償で提供。

奥出雲電力が、町内の小水力発電所などでつくられた電力を供給します。山あいの寒冷な気候条件のもとで燃費性能や蓄電池の劣化の状況を調べ、新車の電気自動車やガソリン車と比較、検証などを行います。また、提供された電気自動車は、災害時に避難所の非常用電源としても活用されるということです。実証実験は、2026年3月まで1年間行われます。

住友三井オートサービス・土肥充中国四国営業本部長:
リユースEVは、バッテリーの劣化が激しいこともあり展開が難しい状況でしたが、地方自治体さんは走る距離も限定されていることから、リユースEVの導入に当てはまると考えている。

奥出雲町・糸原町長:
積極的な(リユースEVの)導入は良いことだと思うし、地球規模の問題に町としてもしっかりやっていきたいという意味で大きく期待している。

この会社による自治体へのリユースEVの提供は、中国地方では初めてだということです。
町は、今回の実証実験がリユースEVの活用につながり、2050年までに「脱炭素」の実現を目指す町の目標を、町民に知ってもらうきっかけになればとしています。

TSKさんいん中央テレビ
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