せきが長期間続く感染症「百日ぜき」が全国的に流行している。2025年に入ってわずか3カ月で、2024年の1年間の患者数を上回る異例の事態となっている。都内の病院を取材した。
流行する百日ぜき…都内の病院では「通常の3~4倍」
3日に訪れたのは東京都内にある「いとう王子神谷内科外科クリニック」。
せきの症状を訴えて訪れるケースが増えているという。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
夜中せき込んで眠れないような時ありました?
患者:
何回か起きちゃった。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
せきがひどくなってくるようであれば百日ぜきの検査をする。
今、全国的に感染が拡大している百日ぜき。
2025年初めから3月23日までに4100人の患者が報告され、2024年1年間の4054人を上回った。

いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
我々の施設ですと、月に1~2人いるかいないのが普通。今だと週2~3人ほどいるので、通常の3~4倍になっている。
幼い子どもの感染は重症化しやすく、死に至ることも…
子どもが百日ぜきに感染したという家族に話を聞くことができた。

母親:
顔を真っ赤にしてせき込んで、息ができないくらいのせき込み方。
子ども:
苦しかったです。
百日ぜきは感染力が強く、特に、幼い子どもが感染すると重症化しやすく、死に至ることもあるという。一方で、百日ぜきと確定するには抗体検査などが必要で、症状だけで判断するのは難しいという。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
せきという患者はものすごく多い。風邪がひどいせきを起こしているのか、百日ぜきの初期の状態なのか。
せきや嘔吐などの症状で3月にクリニックを受診した20代の女性は、食道炎や喘息の治療をしたものの症状が改善しなかったため、抗体検査を行ったところ、2日になって百日ぜきだったことが分かったという。

医師でも見極めが難しいという百日ぜき。
伊藤院長は、感染の広がりを受けてのせき止め薬の不足を心配している。
いとう王子神谷内科外科クリニック・伊藤博道院長:
せき止めは一時期よりは充足してきたが、強いせき止め薬が不足している場面は多々ある。
厚労省はワクチンでの予防の他に飛沫感染を防ぐため、手洗いやマスクの着用などを呼びかけている。
(「イット!」4月3日放送より)