全国の暴力団構成員などが初めて2万人を下回り、過去最少となったことがわかりました。一方、匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」の検挙人数が、暴力団構成員などの検挙人数を上回り、警察が把握しずらい犯罪情勢となっていることが浮き彫りになりました。
警察庁によりますと、2024年末時点の全国の暴力団構成員などは1万8800人まで減少し、検挙人数も8249人で、前の年から約1300人減っていずれも過去最少となりました。
暴力団構成員らの高齢化や、警察と関係機関などが連携し、取引や事業などから暴力団排除が進むなど、暴力団の活動が制限されていることが背景にあるとみられています。
「トクリュウ」や来日外国人の検挙数は増加
一方、匿名・流動型犯罪グループ=「トクリュウ」による事件とみられる2024年の検挙人数は1万105人に上り、暴力団構成員らの検挙人数を上回りました。
トクリュウのなかには暴力団構成員らをメンバーとしているケースも確認されているほか、検挙者のうち約4割はSNSの闇バイト募集に応募し事件に加担していたということです。
検挙されたトクリュウによる犯罪で最も多かったのは、犯罪収益の振込先として使う口座を売買するなどの「犯罪収益移転防止法違反」や「詐欺」でした。
そのほかにもトクリュウによる犯罪は、悪質リフォーム業者による詐欺や強盗、性風俗店のスカウト行為など多岐にわたっていて、警察庁は「治安対策上の脅威」とし対策を強化しています。
また、2024年に検挙された来日外国人は1万2170人にのぼり、2年連続で増加し、ここ15年で最多となりました。
ベトナム人(32%)と中国人(16%)が全体の約半数を占めていて、その次に多かったのはフィリピン人(6%)でした。
在留資格別では技能実習が最も多く(24%)、その次は短期滞在(18%)となっています。
警察庁は、増加の理由について「在留者が増えていることが要因の1つではないか」としています。
外国人による犯罪をめぐっては、不法滞在の外国人グループが太陽光発電施設を狙い銅線ケーブルを盗む事件や、ベトナム人がグループで来日し衣料品店やドラッグストアで大量に万引きする事件などが問題となっています。