ほっかほっか亭のエイプリルフール投稿で「ライス販売停止」という冗談に批判が殺到。米高騰への不安が重なり「笑えない」という声も。専門家は「ウソとわかる表現を工夫すべき」と指摘している。
エイプリルフールで企業もシャレ投稿
4月1日の「エイプリルフール」には、毎年恒例で様々な企業がSNSで、いわゆるシャレ投稿をしているが騒動も起きている。
今回のテーマは「エイプリルフールで『ライス販売停止』ソレってどうなの?」だ。
1日、各社のエイプリルフール投稿が話題になった。宅配寿司チェーン「銀のさら」は、「本物の銀の桶で提供開始」と、木桶ではなく銀で作った桶で宅配すると投稿した。

直径約20cmで重さ886g、これがホントの「銀のさら」だ。
大手牛丼チェーン「松屋」も「松屋銀座の皆さま。本日恐縮ではございますが乗っ取らせて頂きましたことをご報告申し上げます」と豪快な投稿をした。

同じ名前の百貨店「松屋銀座」の屋上看板を、牛丼の「松屋」の看板に加工して投稿し、SNSを賑わせた。
専門家「みんなが不安に思っているウソは避けるべき」
その一方、大手弁当チェーン「ほっかほっか亭」の投稿が物議を醸している。

ほっかほっか亭 公式X:
本日、令和7年4月1日より米の価格高騰を鑑みて、全国のほっかほっか亭全店でのライスの販売を停止します。ほっかほっか亭は米に対して絶対的な自信をもっておりますが…、これ以上は、価格高騰の波に抗えなくなりました。
お弁当の要・ライスの販売を停止するという、ウソの広報文を投稿した。
ハッシュタグにはエイプリルフールと記載してあったが、SNSでは「有名企業で生活に影響力あるからこそ笑えない」「今の状況で本気で笑えると思ってるなら面白くない」「営業停止したら?もう二度と利用しません」などなど、コメの価格高騰や備蓄米放出などが起きる中、「笑えない」と批判が続出した。

こうしたことを受け、ほっかほっか亭はSNSで「皆さまを動揺させてしまい、配慮が足りなかったと感じております。大変申し訳ございません。今後もほっかほっか亭では、国産米100%の炊きたてごはんを全店で提供してまいります」と投稿した。
街の人は、どう感じたのか?
40代:
そこまで言わなくていいんじゃないか。そもそも「ウソついていい日」に出している話。そんなに怒んなくてもいいのでは。時期は悪かったのかもしれないですね。
10代:
エイプリルフールは「面白いな」と単純に思う。その日にしか体験できないウソや冗談。ものによっては面白いが、限度も考えてほしいです。
ほっかほっか亭「絶対にあり得ないこと」と謝罪
SPキャスター・パックン:
昔からアメリカでは個人も盛り上がるし、企業もひっかけの広告を出して話題性を呼ぼうとしています。僕の大好きなのは、左利き向けのハンバーガー新発売と言ってみんなが殺到したんですけど、もちろんエイプリルフールでした。やり方も受け入れ方も、もう少し頑張ってほしいですね。

青井実キャスター:
ほっかほっか亭は、番組の取材にこう回答しています。
(株)ほっかほっか亭 総本部広報:
お米という今すごくセンシティブな話題に、私たちとしては絶対にあり得ないことではありました。
青井キャスター:
本当だと思った一部の利用者から、「いつから再販されるのか」「いつお米は販売されるのか」など実際に問い合わせがあったことで、夕方に訂正の投稿をする事態になったそうです。(ハッシュタグを付けて)「#エイプリルフール」と記載していたのに、なぜここまでの騒動に発展したのか?企業のリスク管理に詳しい西山さんに聞きました。

企業のリスク管理に詳しい 桜美林大・西山守准教授:
一言で言うとリアリティーがありすぎた。しかもみんなが不安に思っていることが投稿された。誤認を与えないことが非常に重要。「ウソだとわかるウソをつく」ことが重要だと思います。
青井キャスター:
その一方で西山さんは、SNSの反応も「過剰すぎるのでは?」と指摘しています。
企業のリスク管理に詳しい 桜美林大・西山守准教授:
この投稿自体が「誰かを傷つけている」「人権侵害を行っている」そういうことではない。エイプリルフールきっかけに、リアルに商品を作ったり新しいサービスをやったり色々な広がりもあると思うので、失敗して多少批判されても「次もっとうまくやる投稿を考えましょう」とか、ポジティブに解釈してほしいと思います。
日本には、大正時代に伝わったとされるエイプリルフール。2026年は、罪のないウソで笑い合いたいものだ。
(「イット!」4月2日放送より)