町中華の定番であるチャーハンの価格が、1000円超えする動きが注目されている。米や卵など主要食材の値上げが相次ぎ、店主によればラードも一斗缶が数千円高騰しているという。専門家によると、2025年度後半には上昇ペースは緩やかになるものの、今後も価格上昇が続く可能性があるという。

中華の定番“チャーハン”に値上げの波

物価高のニュースを毎日のようにお伝えする中、ラーメンでも1000円の壁が話題になったが、もう一つの中華の定番にもある変化が起きている。

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27日のテーマは、「払える?チャーハンにも1000円の壁。ソレってどうなの?」だ。

チャーハン一皿に出せる金額はどのくらいか、街の人に話を聞いた。

街の声:
750円くらい。小籠包とかセットで付くと1000円超えても出せるかな。

街の声:
最高1000円、1000円だったらいいかな。「チャーハン」=「ご飯」だから、安ければ安いほど(良い)。おかずにお金を掛ける。

街の声:
物価高なので、1200円くらいまで払える。4桁のイメージはデカいので、特別なものという感覚はある。

取材では、チャーハンが1000円超えるのは…という方が多いようだった。しかし、現実は厳しかった。

農水省によると、60kgあたりのコメの価格は2024年2月は1万5303円だったが、2025年2月は、約73%アップの2万6485円になった。

さらに「JA全農たまご」によると、Mサイズ1kgあたりの鶏卵の価格は、2024年3月が221円だったのに対し、2025年3月は約1.5倍の327円になっている。他にもチャーシューやエビ、油など、チャーハンに欠かせない主な具材のほとんどが値上がりしている。

東京・杉並区にある、創業14年の中華料理店「中華屋 啓ちゃん」を取材した。

リポート:
こちらの中華店、外にも並んでいる方がいらっしゃいますね。中を見ても満席で賑わっています。

お客さんの8割以上が頼むという人気のチャーハンは、ゴロッとしたチャーシューがたくさん入っていて、濃い目の味付けがたまらない。様々なトッピングもOKで、フワとろのオムレツを乗せたオムチャーハンが名物だ。

リポート:
卵もふんわりしていて、しかも具だくさんでボリューミーですね。美味しいです。

この店のチャーハンは800円で、2024年に100円の値上げをしたというが、それでも厳しい状況だと店主の幸田さんは話す。

中華屋 啓ちゃん・幸田啓店主:
一番チャーハンが出るので、だいぶ影響は大きいです。町中華でチャーハン1000円超えてくると、お客さんも週に何回か来てくれる方もいるので、通いづらくなってしまうんじゃないかと思います。

材料費の価格高騰が叫ばれている中、中華料理店に必ず必要なものが値上がりしているという。

中華屋 啓ちゃん・幸田啓店主:
米だけでなく、油や材料費全体的に物価高で上がってきています。ラードで作っているが、ラードも一斗缶で前は2000円台で買えたが、5000円後半くらいになってます。

チャーハンの原価率は、30%台後半だという。それに加えて、電気代やガス代などの光熱費も値上がりしているため、ますます厳しい状況だという。

“食料自給率の低さ”も要因に…今後も値上がりが続くか

青井キャスター:
チャーハンに1000円、どうですか?

SPキャスターパックン:
いくらでも出すと言いたいんですけど、食料品の価格高騰や光熱費の値上げに困っているのはお店だけじゃなくて、それぞれの消費者もそうなんですね。でもお店も応援したいから、これからは、結婚記念日とかにチャーハンを食べに行きます。

青井キャスター:
いくらだったら、普段も行けますか?

SPキャスターパックン:
1200円までですね。

青井キャスター:
備蓄米がスーパーの店頭に並び始めた一方、食材や光熱費などの高騰が続いています。中華料理店にとって厳しい状況は、いつまで続くのでしょうか。経済に詳しい永濱さんに聞きました。

第一生命経済研究所 主席エコノミスト・永濱利廣氏:
年度の後半以降ぐらいになれば少し上昇ペースは緩やかになるとは思うが、価格上昇は今後も持続する可能性は高いと見ておいた方がいい。(日本は)食料自給率が非常に低いので、どんどん値上がりしていく食材を輸入しないといけない。町中華も含めて、メニューの価格は今後も上昇が続く可能性が高いと思います。

庶民の味方である町中華だが、お店が身を切るような節約を続ける中で、チャーハン1000円を巡る攻防が続いている。
(「イット!」3月27日放送より)

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