TSMCの進出を受け、熊本県が独自で行っている周辺の水質調査で、3月26日に第1工場の本格稼働後初の調査結果が公表された。調査では、坪井川で有機フッ素化合物の一部の濃度が上昇していることが分かったが、熊本県は「現時点で影響はない」としている。

前後で一部の有機フッ素化合物上昇も

熊本県が設置した環境モニタリング委員会は、JASMの第1工場が本格稼働した前後で周辺の環境への影響を調べるため、水質汚濁防止法が定める物質に加え、規制外となっている有機フッ素化合物など一万種以上の物質を調査している。

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3月26日に調査結果の一部が初めて公表され、水質汚濁防止法が定める物質については地下水、河川ともに「影響は確認されなかった」とした。

一方、規制外物質については地下水では変化は確認されなかったものの、工場の排水を処理して流す坪井川では、有機フッ素化合物の一種、PFBS、PFBAの濃度が上昇した。

PFBSについては工場の稼働前、1リットル当たり6.9ナノグラムだったのが、稼働後の調査では59.0ナノグラムに。また、稼働前は検出されていなかったPFBAは15.0ナノグラム検出されたという。

現時点では影響ないも今後も注視を

工場稼働の影響とみられるということだが、熊本県は規制を設けている外国の基準値と比較しても、かなり低い濃度だとしている。

委員からは「現時点で影響はないレベルだが、今後もモニタリングを行い、注視していくべき」との意見があがった。また、大気についても2つの規制外物質が工場稼働前後で増加していたが、いずれも大きな影響はないとしている。

熊本県は、まだ調査できていない物質についても調査を進めるとともに、今回の調査結果についてはホームページで公表するとしている。

(テレビ熊本)

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