新人3人が論戦を展開している秋田県知事選挙。2回にわたり、選挙の争点や秋田の課題について候補者の考えをお伝えする。今回は「最も力を入れて取り組みたい政策」と「佐竹県政の評価」を聞いた。

秋田県知事選に立候補しているのは、届け出順にいずれも無所属の新人で、元副知事の猿田和三氏(61)、元県議会議員の鈴木健太氏(49)、秋田市に住む大久保範夫氏(73)の3人。

◆最も力を入れて取り組みたいこと

猿田和三氏:
物価高騰対策について、あるいは災害対策については迅速に対応していく。十分な予算を確保して適切に対応していきたいと思っている。人口減少対策には、まずなんといっても経済力をつけること。そういう意味では最低賃金1.5倍を目指して、県内企業の皆さんの様々な取り組みを全力・強力に支援していく。また、新たな企業誘致にも取り組んでいきたい。

鈴木健太氏:
少子化が異常なレベルで進んでいる。これをなんとかいち早くストップしていきたいと思う。人口減少対策とか少子化対策は、どこの自治体も同じようなことをやっている。ただ成功している事例と違うのは、一つ一つ本当に頭を使って成果を出さないといけないという危機感の強さだと思う。これまで10年間県政を見てきて、やはり甘い部分があった。その行政側の意識の改革というものをまずはしっかり進めて、今まで通りのリソース、予算額であっても、成果はまだまだ出せる余地が大きくあるので、そうしたもので私は結果を出していきたい。

大久保範夫氏:
大雨洪水非常時は、秋田中央道路トンネルを手形、広面、中通、楢山、保戸野、山王地区の遊水地として、太平山24時間降水量300ミリ超えでも旭川が氾濫しないように、秋田運河までの直径8メートルの旭川バイパス放水トンネルを建設する。これによって秋田市が水害のない都市を続けることができると思う。
◆佐竹県政4期16年の評価は

猿田和三氏:
就任以来、リーマンショック・災害・東日本大震災・コロナ・大雨被害、様々な経済的あるいは自然災害が多発する中で、特に産業振興については、県内企業あるいは誘致、再生可能エネルギーという分野で一定の成果を上げてきたと思う。一方で最大の課題である人口減少対策に、結果的に歯止めがかかっていないことに関しては、少し取り組みが足りなかったと言わざるを得ない。
鈴木健太氏:
非常にそつのない堅実な県政運営だったと思っている。大変大きな大間違いというのはなく、方向性も常に正しかったと思っている。その成果が出ていない部分、人口減少、観光振興といったところについては残念な結果だと思う。何よりもその成果が出ていないことを謙虚に受け止めて、何とか改善していこうというアプローチが非常に後半は特に弱かったと思う。そうした意識を変えていくことでまだ改善する余地は大きいというのが私の考え。ただ佐竹知事はあの人柄で県民に非常に愛された素晴らしいリーダーだったと思う。
大久保範夫氏:
行政処分は適法でなければならない。違法処分は適法にする必要があり、極めて重大な人権侵害である。拘束処分が違法であるときは謝罪と賠償しなければならない。しかし佐竹知事は、違法を認識しながら16年間放置しているから不可。これは私自身に対する処分についてだ。