3月22日にJR高松駅の駅ビル「高松オルネ」はオープン1周年を迎えます。来館者数は目標を上回り800万人を突破、周辺のにぎわいに与えた影響と今後の課題を取材しました。
2024年3月22日、サンポート地区の大型開発の第一陣として華々しくオープンした高松オルネ。
(中村香月 記者)
「オープンから1年。平日の昼ごろですが、高松オルネの管内、多くの人でにぎわっています」
初年度の目標としていた来館者数700万人は予定より2カ月早く達成し、2月末までに800万人を超える人が訪れました。
(高松オルネ 原田宏樹館長)
「流石にここまで来館してもらえるとは思っていなかった。正直サプライズ。うれしい誤算だった」
周辺に住む人や働く人のほか、通勤・通学でJR高松駅を使う人の利用が多く、週末には観光客やビジネスマンが多く訪れるということです。土産を含む食料品店が人気で、売り上げは全体の6割を占めています。
(東京から出張に来た人)
「毎回寄って土産を買っている。きょうもうどん23人前買った」
(地元の人)
「新しいところばかりなので楽しい」
都市計画やまちづくりに詳しい香川大学経済学部の西成典久教授は、高松オルネが目標を上回る集客ができた要因を次のように分析します。
(香川大学経済学部 西成典久教授)
「いろんな所にベンチがある。3階に行ったら本も読める。気に入ったものがあれば買ったらいいし買わなくてもいい。多様な時間の消費の仕方ができる。そういった点が成功として言える」
このほか、魅力的な店舗が多く出店していることや、オープンな空間で気持ちが明るくなることを強みに挙げ、高松オルネができたことで、サンポート地区に人が訪れる目的が変わったと言います。
(香川大学経済学部 西成典久教授)
「これまでは交通のターミナルとして集まる面が大きかった。高松オルネができたことで、『高松駅に行ってみよう』『時間を消費しよう』という新しい行動パターンが生まれた。そこが場所として魅力的になっていった。そういう意味では高松オルネができた意味は大きい」
(中村香月 記者)
「好調な滑り出しとなった高松オルネ。2年目以降のさらなるにぎわいの鍵を握るのが、新しく完成した徳島文理大学。そして香川県立アリーナです」
大型開発が進むサンポート地区では、2月にあなぶきアリーナ香川がオープン。3月1日と2日にサザンオールスターズのこけら落とし公演が行われた際は、高松オルネの入館者数は普段と比べて2割増加しました。
さらに4月からは徳島文理大学の高松駅キャンパスに学生と教職員約1500人が通い始めるほか、瀬戸内国際芸術祭が開催され、周辺のさらなるにぎわいが期待されています。
西成教授は、サンポート地区は香川の観光の玄関口になるとした上で、地域が一体となったまちづくりが今後の課題と指摘します。
(香川大学経済学部 西成典久教授)
「エリア全体の価値を上げることが次の課題になる。高松オルネが得意な商業の力を活用して、よりサンポート地区の人流を生み出すように仕掛ける。高松オルネのノウハウが港で発揮されるような店舗ができたら。箱だけでなく、周辺ににじみ出るような形で高松オルネの商業の力を活用してほしい」
大型開発の第一陣として、まちに人を呼び込んだと言える高松オルネ。サンポート地区のさらなるにぎわい作りへ、今後の動向に期待がかかります。
(高松オルネ 原田宏樹館長)
「今後3年後、5年後を見据えて高松オルネをこうすべきという議論は継続しているので、周辺のエリアと連携しながら、まちの人に認められ存在感が発揮できるように地道にやっていきたい」