手作りポップの高校図書館…製作に10時間のアート作品も

長久手高校の図書室には、書籍などを紹介する「ポップ」が至るところにあり、楽しさに溢れている。さながら書店のようなポップは図書委員の生徒が作りあげていた。

扉を抜けると書店のようなディスプレイで並ぶ書籍や図鑑…

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長久手高校の図書室、飾られているのは図書委員の生徒が自作した、本を紹介するポップだ。

この学校で司書の資格を持ち、図書室を担当する青山恵さんが赴任して始めた取り組みで、以降毎年、図書委員が作成してきた。

今年は1~3年までの図書委員約50人がそれぞれ作成。力作が目立つ。

将来、管理栄養士の仕事に関心があると話す2年生の小林さくらさんが作ったのは、遠藤彩見さんの「給食のおにいさん」。

一流シェフが小学校給食を作ることになり、子供たちが抱える悩みを解消していくストーリーで、ベースはシェフの帽子をモチーフにし、先割れスプーンは銀紙で、ニンジン・ゴボウ・タケノコは水彩色鉛筆で描いた。

さらに、大きな文字は切り抜いて強調。作るのに10時間ほどかかったという。
美術部に所属する2年生の中村風香さんのポップは、アート感がにじみ出た作品に。

本があまり好きではないと話す中村さんが選んだのは、「すきっていわなきゃだめ?」という絵本。

早く読めそうと手に取った作品だったが、絵本を開いてみると想像と違った結末で、多様性について考えることができたという。ポップでは、男女のマークを逆にすることで、絵本の見どころを表現した。

長久手高校で作られたポップの一部は現在、市の中央図書館で展示されていて、一般の人でも見ることができる。

もともと人気で、貸出が続いている作品も多いというが、「銀河鉄道の夜」といった不朽の名作も改めて読まれているとのこと。

有川浩さんのSF小説「空の中」を取り上げた3年生の望月壱真さんのポップは、見事に描かれた戦闘機が本の表紙と連なって「空の中」を進んでいるように見える。

長久手市では、子供の読書離れを防ごうとする取り組みを進めていて、その1つとして、2018年から長久手高校の図書委員が作ったポップを中央図書館で展示し、子供たちに読書への関心を高めてもらおうとしている。

「子供が子供の目線や言葉で本を薦める」…この展示企画、中央図書館の担当者は「高校生が図書館を訪れるきっかけになっていると思う」と話している。

また、この展示会を2018年に訪れた中学生が興味を持ち、長久手高校に入学してポップ作成に携わっていることもあったということで、中央図書館では2020年10月25日まで長久手高校のポップを展示している。

長久手高校で図書室を担当する青山さんは、こうした取り組みで「その後の興味や関心のきっかけにしていきたい」と話し、生徒たちもポップのある図書室は「気持ちに溢れている空間」「自分の作ったものが人の目に触れるのは嬉しい」と喜んでいる。

ちなみに今年作ったポップの一部は、ポプラ社が開催している「ポップコンテスト」に出品するとのこと。

(東海テレビ)