40年以上の歴史がある女性向けファッション誌「CLASSY.」が、看護師の着回し企画において、医師との不倫をしている設定にしたことで、「医療従事者をバカにしている」とSNSで批判が殺到した。看護師が焼き肉を「焼いた内臓のにおい」と表現するセリフもあり、雑誌側は公式サイトで謝罪する事態となった。
ファッション誌での不倫設定が大炎上
13日のテーマは「ファッション誌炎上の原因は人気企画。ソレってどうなの?」。

波紋を広げたのはファッション誌「CLASSY.」2025年4月号。20〜30代の女性をターゲットにしているが、どんな内容の特集企画だったのか。
タイトルは「オペ看護師が主人公!スカートしばりの3月着回しDIARY」。
病院で働いている「オペ看護師」の1カ月の着回しコーデをストーリー仕立てに紹介するというものだが、主人公の看護師が医師と“ドロドロの病院内不倫”をしているという設定だった。

ネット上では「医療従事者をバカにしている」「職業に対する偏見が行き過ぎでは?」と批判が殺到した。「CLASSY.」の公式SNSには医療従事者を名乗る人たちから「すごく不快」「強く抗議します」などといった怒りの声も相次いだ。
さらに批判されたのが、ストーリーの中で看護師が焼き肉を食べに行った時のセリフ。

主人公・看護師のセリフ:
わ〜さっき焼いた内臓のにおい。
現役でオペ看護師として働く女性に、ファッション誌での“不倫看護師設定”は、どのように感じられたのか話を聞いた。
オペ看護師歴18年:
ショックでしたね。
手術室看護師の役割をきちんとみんな考えて役目を果たしている。その現場をあのような内容でされてしまうと、現実と乖離(かいり)があり過ぎて傷つきます。(忙しくて)余裕のない中で、着回しとか服・素材の紹介なら見て楽しいけど、ああいう(不倫)目的で普段ファッションしているわけではないので…。
街の人たちにも話を聞いた。
20代:
不倫は肯定的な企画で取り扱うのは良くないと思います。
Q.「さっき焼いた内臓のにおい」ってセリフは?
40代:
これきついね。
40代:
やっぱりいい気分はしないですよね。職業をバカにしている感じが受けられる。
という反応の一方、こんな声もあった。
30代:
確かに見た時びっくりして「不倫なんだ!」って。
雑誌だから別にいいんじゃない。
20代:
斬新だなとは思います。本当の看護師が見たら不快に思う人もいるかもしれない。面白いなとは思います。
問題となった特集について、こんな意見もあった。
30代:
「フィクション」と自分は捉えている。
20代:
「架空」だから良いのでは。

実は「CLASSY.」の着回しコーデ企画は、これまでにも「大量発生したゾンビから逃げる女性社員」や「日本沈没の危機に対応する女性防災アドバイザー」といった、かなり尖った設定で人気だった。今回は不倫を肯定する内容だけでなく、最後は不倫を償うようなストーリーになっていた。
「CLASSY.」側は公式サイトで謝罪
青井実キャスター:
様々な意見がありましたが、どうでしょうか?

SPキャスターパックン:
難しいところですね。これはドラマとか映画、漫画だったらこの設定よりももっと際どい設定でも許されるかと思いますけど、傷ついた方がいらっしゃるし、オリジナリティーと面白さを生み出しながら、誰も傷つけない企画を目指してほしいですね。
青井キャスター:
騒動を受け、雑誌側は公式サイトを通じて、こう謝罪しました。
「CLASSY.」HPより:
企画内における、看護師、医師に関する表現は誠に不適切で配慮に欠けるものでした。医療に従事する関係者の皆様、読者の皆様に謹んでお詫び申し上げます。

青井キャスター:
なぜ騒動は大きくなったのでしょうか。
企業の危機管理に詳しい西山さんに話を聞いた。
桜美林大学・西山守准教授:
叩かれ過ぎではないかという側面もあるが、職業に対するバイアス(偏見)という部分や不倫や浮気、そうした行為に対する風当たりの強さ。ファッション雑誌は特定のユーザー、かなり細かい思考とかを持った人をターゲットにするもの。(かつては)ある程度攻めたことをやってもさほど批判はされなかったが、今はインターネット、SNSでそれ以外の人たちにも情報が広がってしまう。そういった情報空間が時代によって変わってしまっている。
40年以上の歴史を持つファッション誌が引き起こした炎上トラブル。今後特集がどう変化するのか注目される。
(「イット!」3月13日放送より)