最新技術、ビジネス、デザイン、音楽、映画など、あらゆるジャンルの最先端の情報やトレンド、それに関わる人が一堂に会することから、世界最大級のエンターテインメントの祭典と言われている「サウス・バイ・サウス・ウェスト(SXSW)」。

今年も7日からアメリカ・テキサス州オースティンで開催されている。

会場では「SXSW EXPO」という、世界の企業が最新の技術やアイデアで作り上げたサービスや商品を披露する展示会が開かれているが、その中で“触れるCG”が人気を集めていた。
3Dマウスで感じる“リアルな感触”
ハプリー・ロボティクス社が開発・展示していたのは、3Dマウスを使ってバーチャル空間内の立体CGに“触れる”商品。
今回は4種類の「球」を、それぞれ違った感覚で“触れる”デモをやっていた。

(1)固い金属球に磁石のようにくっつく
(2)水の球の中をジャブジャブと進む
(3)スナック菓子のような球をザクザクと壊しながら進む
(4)ゴムのような球でつつくと反発する
マウスは、機械本体からロボットアームのように“手”が伸びていて、ユーザーはその先についている棒を握る。画面を見ながらこれを動かすとポインターが連動。バーチャル空間内で直感的に3次元で動かせ、球に“触れる”と、それぞれの感触がリアルに伝わってきた。

体験した人たちからは「すごすぎる!」「信じられない」など驚きの声があがっていた。
“触り”ながらデザインもできる
また、握っているマウスの棒にはボタンがついていて、押しっぱなしにするとバーチャル空間内のCGをつかむこともできる。

上記の4つの球とは別のデモで、粘土のような物体をつまんで引っ張ると、感触を感じながら物体の形を変えられるという体験もできた。
どんどん進化する”リアル”なバーチャル空間
去年はこの「SXSW EXPO」の前身に当たる「Creative Industries EXPO」で、東京大学の篠田・牧野研究室が、裸眼で見えるスライムの3DCGを触ると、ぷにっと柔らかい感触を感じる不思議な展示を出して人気を集めていた。

※内容参照:「クレイジーだ」“触れる3DCG”も登場!エンタメの祭典「サウス・バイ・サウスウェスト」の東大ブースに行列
自然さや高精細さが高まり、もはや「実物」と錯覚するようなCGも増える中、触覚を実現する研究もどんどんと進んでいる。
ハプリー・ロボティクス社は、3Dマウスとこの“触れるCG”の技術を使って、3Dデザイナーやアーティストの直感的な制作や、ロボット制御や外科医の手術トレーニングなど専門的なシミュレーションを支援していきたいと話している。