世界最大級のエンターテインメントの祭典「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)が、アメリカ・テキサス州で8日から開催されている。

「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)が開幕
「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)が開幕
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開催3日目となった10日、世界の企業やチームが革新的なアイデアを披露する「クリエイティブ・インダストリーズ・エキスポ」が始まり、東京大学の篠田・牧野研究室が出したブースが、大きな注目を集めた。

東大のブースに展示されていたのは、3Dのコンピューターグラフィックスで作られた不思議な生き物。見えている位置まで手を伸ばすと、CGであるのに“触る”ことができた。

CGなのに“触れる”不思議な体験
CGなのに“触れる”不思議な体験

見た目は、水を多く含んだ、見るからに柔らかそうな生き物だが、触ると、「ぷにっ」という感覚とともに変形もした。さらに、上から降ってくる雨に手を向けると、こちらもしっかりと、その感じがした。

長い列を並んで体験した各国の参加者からも次々と「すごい」「驚いた」「クレイジーだ」と称賛の声が出ていた。

音波で触覚を再現!

一体どうやって“触っている”感じを実現しているのか、研究室の方に聞いて見ると、見ている人の目の位置を計測し、箱の中に生き物がいるようにCGを立体的に表示。その位置まで手が来たときに、箱の中の四方から音波を出すことで、人が「触った」と感じるよう作られているのだという。

大盛況となった東大のブース
大盛況となった東大のブース

研究は2008年から始め、これまで国内で展示したことはあったそうだが、改良を重ねる中、ここにきて「触った」感覚がかなりリアルに近づけられたため、今回この「SXSW」で、海外で初めてお披露目したそうだ。

東京大学の篠田裕之教授
東京大学の篠田裕之教授

研究室の篠田裕之教授に聞くと、今後はさらに「ふわふわ」なものにチャレンジしていきたいとのこと。近い将来、CGで作られた犬や猫をなでられる日が来るかもしれない。

毎年、テキサス州オースティンで開催される『サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)』は、

映像・音楽・ビジネス・最新技術などの“最先端”が世界中から集まる巨大な祭典で、年々注目度が高まっている。今年は、今月16日まで開催されている。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。