「PFAS」が今、全国各地の水源などから検出され問題となっている。PFASとは、有機フッ素化合物の総称で、一部は発がん性など人体への影響が指摘されている。
PFASは、水や油をはじく性質があり、以前は、フライパンやレインコートなど私たちの身の回りの製品にも使われていたが、現在は製造や輸入が禁止されている。
ではなぜ、いま問題となっているのか。大分県内の水道水の安全性などを取材した。

福岡県や国東市などで相次いで目標値を超える値が検出

私たちの生活にかかせない水道水。国はPFASに関して、目標値を水1リットルあたり50ナノグラムとしている。これは、 大分市のクラサスドーム大分1杯分の水に塩100グラム程度が含まれている状態で、体重50キロの人が一生涯、毎日2リットルの水を飲み続けても健康に悪影響がないと考えられる水準である。

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しかし、国の調査では、福岡県の航空自衛隊基地の井戸から目標値の30倍の値が検出されるなど、自衛隊の施設で目標値を超える値の検出が相次いでいる。
国は、こうした施設で使われていたPFASを含む泡消火剤が影響している可能性を指摘。

県内でも2024年11月、国東市の水源から目標値を超える値が検出されたが、その後の周辺環境調査で問題はなかった。

大分市の古国府浄水場では1日に25メートルプール約300杯分の水道水を作っている

古国府浄水場
古国府浄水場

気になる水道水の安全性、その管理を行っているのが浄水場である。
大分市には8つの浄水場があり、古国府浄水場では1日で、一般的な25メートルプール約300杯分の水道水を作ることができる。
大分川の水から、汚れなどを取り除き、消毒後、市内の18万6000人あまりに届けている。大分市では、8つの浄水場のすべての入り口の水と、浄水場での出来立ての水、そして蛇口の水を検査しているが、いずれの水でも検出されていない。

大分市上下水道局水管理センター水質管理担当班の高橋威一郎班長は「大分市では法律で定められた検査項目の法定検査を月に1回、必ず古国府浄水場にある水質試験室で検査している」と話す。
試験室では市内全ての浄水場の水について法律で定められた51項目を含む180項目を検査しているという。

大分市の水道水のPFAS検査結果は市のホームぺージでも確認できる

古国府浄水場
古国府浄水場

PFASの検査は義務付けられてはいないが、高橋班長によると、PFASについては特殊な機械を使うため現在は検査業務を委託して年1回行っているという。
大分市の水道水のPFASは、全て国の目標値を下回っていて、検査結果は市のホームぺージでも確認できるという。

また、古国府浄水場では24時間365日、浄水場で作る水に異常が無いかの監視も行われていて、高橋班長は「しっかりと品質管理をしているので、 安心して飲んでもらえれば」と話している。

国は2026年4月から水道事業者などに対し、PFASの検査を義務付ける方針を示していて、水の安全性への意識は国も自治体も高まりつつあるようだ。

(テレビ大分)

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