円形で全面ガラス張り。近代的な施設として福岡市中央区の須崎公園に新しく誕生した地下1階、地上5階建ての『福岡市民ホール』。オープン前に館内を覗いてみた。

福岡の文化を支え60余年

新しく誕生した福岡市民ホールのすぐ傍には60年余り前に開館し、その役目を終える『福岡市民会館』が座している。

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1963年の開館当時は、福岡市最大のホールとしてコンサートや演劇、舞踊などさまざまな催しが行われ、活況を呈した。館内には、国際会議場があり、翻訳室や記者室も設置されていた。

60年以上に渡り、市民の文化、芸術活動を支えてきた福岡市民会館だが、老朽化のため2025年3月23日で閉館することが決定。そのあとを引き継ぐのが、新しく完成した福岡市民ホールなのだ。

落ち着いた色味の緞帳は博多織

天井が高く開放的なエントランスホール。水の流れをイメージした装飾が外光に照らされて輝く。

メインの大ホールへ。「舞台が広いです。そして近い。客席は3階まであります。とっても広くて開放感もあります」と取材した記者も思わず感嘆の声をあげる。

ヨーロッパの伝統的なオペラ劇場を思わせる3層構造で馬蹄形の大ホール。約2000席の客席には、明るさの異なる4種類の布地を使って広さを演出。落ち着いた色味の緞帳は博多織だ。

そして約800席の中ホール。音響反射板など多様な舞台機能を備え、市民の発表会からプロまで対応可能だ。取材したこの日は、ボランティアが、真新しいピアノの弾き慣らしをしていた。

ピアノを弾いていた東京藝術大学3年の河野悟士さんは福岡出身。「弱い音から強い音まで優しく端まで響き渡る、そんなホールだと思います。いつか公演で弾かせてもらうことがあれば、嬉しいです」と話す。

福岡市文化施設課の山口学課長は「市民会館がこれまで60年に渡って、多くの市民やアーティストに親しまれてきた、また感動や思い出の場所になってきたところがありますので、それを引き継ぎ、バージョンアップしたかたちのなかで多くの舞台芸術の公演とか市民の文化芸術活動に、ぜひたくさんご利用頂きたい」と抱負を語った。

新たな文化発信の拠点、福岡市民ホール。3月28日のこけら落とし公演は、学生時代を福岡で過ごした歌手のMISIAさんが行う。幕開けが楽しみだ。

(テレビ西日本)

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