宮崎県の2025年度予算案に、日本一挑戦プロジェクトの一つとして「第2子の保育料負担軽減策」が盛り込まれた。県は第2子の保育料の4分の1を負担し、保護者の負担を月1万円軽減する計画で、約2億700万円を予算化した。すでに保育料完全無償化を実現している都城市で、無償化の影響を取材した。

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宮崎県の新年度当初予算案のポイントは「日本一挑戦プロジェクトの着実な推進」、「若者・女性を重視した人口減少対策」、「持続可能な未来に向けた基盤づくり」の3つ。今回は「日本一挑戦プロジェクトの着実な推進」、日本一生み育てやすい地域を目指す取り組みに着目する。

第二子の保育料負担軽減へ

宮崎県が2024年8月に県内に住む20代から40代の男女を対象に行った意識調査。子育てにどんな不安や負担を感じているかと質問したところ、経済的な負担を感じていると答えた人の割合が最も高く、7割近くを占めた。

現在の保育料の制度では、3歳児から5歳児の保育料は全額公費負担。一方、0歳児から2歳児については、第1子が全額、第2子は半額を保護者が負担することになっており、子育てにかかる費用を負担に感じている人が多いのが実情だ。

県は今回、第2子の保育料の4分の1を県と市町村で負担し、保護者の負担を軽減する事業を予算化し、約2億700万円を計上している。宮崎県内の保育料の平均は月に約4万円なので、負担が1万円程度減る見込みだ。

保育料を「完全無償化」した都城市では?

宮崎県内では、都城市が独自の取り組みで保育料を完全無償化しているが、どのような変化があったのか、保育の現場を取材した。

都城市の「まるのキンダーガーデン」。0歳児から6歳児まで約150人の園児が通う認定こども園だ。

都城市が保育料を完全無償化した2023年4月以降、入園希望者が急増し、特に1歳児クラスは無償化前の15人から28人に増えたという。

まるのキンダーガーデン 清水まゆみ園長:
ほとんどが0歳~1歳児のお子さんだったので、無償化であれば早く社会復帰したいというお母さんが増えているのではないかとつくづく感じた。

園に子供を預ける保護者は、保育料の無償化によって、仕事と子育てをうまく両立できるようになったと効果を実感している。7歳、5歳、3歳、0歳の4人の子供がいる女性に話を聞くと…。

4人の子供の母 内永香さん:
2人、3人と預けると、かかる費用が年間70万円くらい変わってくると思う。子供が幼い期間を一緒にいなくていいのかという思いもある中で、保育料と収入がトントンになるぐらいだったら働かないほうが良いのでは、と思う部分もあったので、無償化になったことはすごく後押ししてくれた。社会とのつながりを持って生活できること、余裕が生まれて子供に笑顔で接することができるところが違うと思う。

6歳と2歳の子供を育てる女性は…。

2人の子供の母 宮田真央さん:
安心というか習い事や家族で楽しむ旅行など家族や子供に使える時間が増えて、余裕を持ってお金も使えるようになったので、すごくありがたく、思い出もできて助かっている。
都城市の保護者に話を聞くと、経済的な不安を取り除くことが「子供を産みたい」という気持ちにつながるのではないかと感じる。

串間市も保育料完全無償化の方針

また、串間市でも子育て世代の経済的な負担の軽減や若い世代の移住促進につなげようと、2025年度から0歳から3歳未満までの保育料を完全無償化する方針を示した。串間市独自の子育て支援策として市の新年度一般会計当初予算案に盛り込まれ、約2600万円が計上されている。

串間市 島田俊光市長:
串間市全体で人口減少(対策)に取り組みたいので、一人でも多くの子供たちが育つように、また子供が生まれるような対策をやって行かなければならないと思っている。

予算案は2月、串間市議会に提出された。

県や市町村で協力して、「日本一生み育てやすい地域」に向かう宮崎県。子供の笑顔があふれることを願う。

(テレビ宮崎)

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