岩手・大船渡市の山林火災は、7日目を迎えた3月4日も火の勢いは衰えず、延焼範囲が広がった。

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焼失した面積は前日3日から500ha拡大し約2600haに達した。4日まで15日連続で乾燥注意報も、明日5日は雪と雨予報で消火が進むことが期待される。

焼失範囲は3日よりも約500ha拡大し約2600haに

4日午前6時半過ぎの大船渡市の魚市場付近の映像を見ると、対岸には複数台の消防車が見られた。

そして、朝日に照らされた立ち上る煙の様子を心配そうに見守る人の姿があった。

上空から見ると真っ白な煙の中に見えてきたのが、山から下りてきた炎で、大船渡市の蛸ノ浦地区では、住宅のすぐ裏にまで火の手が迫っていた。

山林火災の勢いは4日も衰えず、焼失範囲は3日よりも約500ha拡大し約2600haに達した。

さらに、午後5時から開かれた大船渡市の会見では、「本日(午後)5時現在、鎮圧には至っておりません」「鬼沢・甫嶺地区の方に拡大が確認されています。また南北に拡大しているということが報告されています」と発表された。

「土の中にまだ火種が残っているために再燃」

一体なぜ、ここまで火災が広がり続けているのでしょうか。

秋田県から緊急支援で入っている消防隊の1人、秋田県緊急消防援助隊の俵谷俊明さんは、今回の火災の消火の難しさを「表面だけ消しても、土の中にまだ火種が残っているために再燃してしまう。その日 消し止めたものが次の日にまた再燃しているということで、それがなかなか難しいところでした」と話す。

今回の延焼の一因は空気の乾燥で、大船渡市には、4日で15日連続となる乾燥注意報が発表されている。

火災の発生当時に出動した消防団に所属する地元の漁師・斉藤新吾さんは「消防団の範疇を超えているので解散になったが、地元に火がきている中で何もできないのは歯がゆい気持ち」と語りました。

岩手県の医療支援チーム「ICAT」が活動開始

一方、避難所では、災害時の感染症拡大を防ぐ岩手県の医療支援チーム「ICAT」が、4日から避難所での活動を開始した。

医師や看護師などが3つの班に分かれ、換気や消毒の状況など避難所の感染症対策を確認した。

ICATメンバーで岩手医科大学の長島広相医師は、「厳しく指導をすると負担をかけるので、バランスを考えながら。ただ感染症が起きてからでは手遅れなので、なるべく少しでもリスクを下げたい」と話した。

5日からは雪や雨の予報が出ていて、火の勢いが収まるきっかけになればと期待されている。
(「イット!」 3月4日放送)

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