トランプ大統領が、ウクライナに対する軍事支援の一時停止を命じたことをアメリカの複数のメディアが報じた。
さらに同氏の対外批判の矛先は日本にも向けられ、日米間の円安・ドル高について日本側に是正を求めたことを明らかにし、日本からの輸入品に対して追加関税を課す可能性を示唆した。

「ウクライナに対する全ての軍事支援を停止するよう指示」

先週の首脳会談で、“前代未聞の口げんか”を繰り広げた2人。

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トランプ大統領:
あなたは何百万人もの人々の命で、ギャンブルをしている。

ゼレンスキー大統領:
私は戦争中の大統領だ。

トランプ大統領:
第3次世界大戦が起きるかどうか、ギャンブルをしている!

その衝撃が世界を揺らす中、ブルームバーグ通信は3日、アメリカ政府高官の話として「トランプ氏がウクライナに対する全ての軍事支援を停止するよう指示した」と伝えた。

停止期間は、ウクライナが和平への誠実な取り組みを示しているとトランプ氏が判断するまでとしている。

そのトランプ氏は、3日の会見でもゼレンスキー氏を批判した。

トランプ大統領:
ゼレンスキー大統領はもっと感謝すべきだと思う。この国は、彼らをどんな時も支えてきたからだ。

またトランプ氏は、ゼレンスキー氏が「ロシアとの和平合意はほど遠い」と述べたことについても、SNSで「最悪の発言だ。アメリカはもう長くは我慢しない」などと激しく批判した。

こうしたトランプ氏の思惑と今後について、専門家は次のようにみている。

明海大学・小谷哲男教授:
先週の首脳会談が決裂して、その後もゼレンスキー大統領が(停戦)交渉に後ろ向きであるので圧力をかけて、ゼレンスキー大統領の考えを変えるということで、武器支援の一時停止に踏み切った。
このまま武器支援が停止してしまうとウクライナが戦えなくなると考えれば、(ゼレンスキー氏が)どこかの段階で(アメリカ側に)謝罪し、アメリカと一緒にロシアとの停戦協議を始める可能性が高い。

「円安・ドル高」是正を日本に求める

一方、トランプ氏の対外批判の矛先は日本にも向けられた。

日米間で、円安・ドル高が進みすぎているとして、日本側に是正を求めたことを明らかにした。

トランプ大統領:
中国の習主席と日本の指導者らに電話し、通貨を切り下げ破壊し続けることはできないと言った。

トランプ氏は関税で埋め合わせるとも話し、日本からの輸入品に対して追加関税を課す可能性を示唆した。

こうした発言に対し、加藤財務相は「日本は通貨安政策は取っていない」ことを強調した。

加藤勝信財務相:
先般の為替介入を見ていただければ、そのことはご理解いただけるのではないか。

政府関係者はまた、トランプ大統領から石破首相に対し、為替政策について電話があった事実はなく、日本側への電話は直近のものではない可能性を示している。
(「イット!」 3月4日放送)

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