JR九州は長崎市の浦上駅前に建設中の12階建てビルに、飲食店やクリニック、薬局などが集まった商業施設「IESHITA(イエシタ)浦上」を2025年3月中旬から順次開業する。
最新鋭のAI技術で調剤業務に革新
JR九州は、2025年3月3日に発表したリリースで明らかにした。
ビルはJR浦上駅の目の前にそびえたち、開業を目前に控え着々と準備が進んでいる。全体の延べ床面積は8944㎡で、そのうち商業施設は6区画で1629㎡となっている。

すでに入居が決まっているものでは、調剤薬局を展開するヤクシンPGの「ヤクシン薬局」がいち早く3月18日にプレオープンする。人工知能(AI)を搭載した調剤ロボットが導入され、機械での薬剤の入出庫管理を行うことできるため、患者の待ち時間の短縮と業務の効率化を図ることが期待されている。また、スマートフォンから処方せんを事前に送信することもできるようになるという。AIによる一部無人化によって、薬剤師など調剤スタッフが患者と向き合える時間が増えることも予想され、慢性的な人材不足の一役を担うことになりそうだ。
"親友のような”身近な存在に「日常使いで利用してほしい」
2階フロアは「ふじやま耳鼻咽喉科」「たさき皮ふ科・アレルギー科」が入居するクリニックモールで4月1日に開業予定。さらに、9月1日には1階にファミリーレストラン「ガスト」がオープンする予定で、商業施設部分の残り1区画は交渉中だ。
上層部3階以上は150戸の賃貸マンションとなる。1Rから1LDKの単身者向け部屋で、3月中旬から入居が開始される予定だ。

「IESHITA浦上」の「イエシタ」という名称については「親友の名字のような愛着を込めて呼べる、人懐っこさを持たせた」という。
駅から徒歩0分 ドア・ツー・ドアで行ける利便性
浦上駅の乗車人員は現在、1日平均2313人で(2023年度)、県内では長崎、諫早、佐世保に次いで4番目に多くなっている。付近には飲食店などが多く軒を連ねる浜口町があるが、「IESHITA浦上」は駅に直結し、雨の日でも濡れずに行けるとあって、利用者の利便性向上が期待されている。

JR九州広報部では「駅周辺で生活する人が日常的に利用し、利便性の向上に寄与できれば」と話している。JR浦上駅周辺に新たな賑わいを創出する拠点として今後、注目だ。
(テレビ長崎)