建て替えのため一時閉館となる東京・千代田区の「帝国劇場」が28日、最終日を迎えた。
多くの人に長年親しまれた“ミュージカルの聖地”。
番組では“最後の1日”を追った。
建て替えのための一時閉館…59年の歴史に幕
28日に59年の歴史に幕を閉じた、ミュージカルの“聖地”「帝国劇場」。
ファンからは「もう終わるのが1秒1秒が惜しいっていう気持ちでいっぱいです」、「さみしいです」といった声が聞かれた。

建て替えのための一時閉館を前に、いわば“最後の日”となった28日、劇場の前には、その姿を記念に収めようとカメラを向ける多くのファンの姿があった。

ファンの1人は、「(帝国劇場は)雲の上の存在でした。地方に住んでいたので。曲で、その時のこととか思い出して。一緒に見た人のこととか。亡くなったりしてて…。そういうことを思い出して泣いちゃいました」と涙ぐんだ。

帝国劇場では1966年の開館以来、372ものエンターテインメント作品を上演し、いつしか“日本ミュージカルの聖地”と呼ばれるようになった。

地上9階・地下6階のその建物には、59年の歴史が刻まれていた。
楽屋口から入ってすぐにあるのは、「到着板」と呼ばれる出演者の名札だ。
帝国劇場では、約5000枚の到着板が今も大切に保管されている。
東宝株式会社・演劇部宣伝室の菊池雄太さんは「森繁久彌さんとか森光子さんの札はもう真っ黒です」と話す。
そして、最下層の地下6階にあるのは、帝国劇場のまさに心臓部ともいえる、「奈落」と呼ばれるセリの一番底の部分だ。
東宝株式会社・演劇部宣伝室 菊池雄太さん:
帝劇の舞台の大きな盆(回転舞台)が、このレールで回ります。このレールは新幹線にも使われている強度のレールです。
大小4つの昇降装置で演出されたさまざまな舞台転換は、帝国劇場ならではのものだった。
「大千穐楽」に北大路欣也さん、堂本光一さんら
ミュージカルをはじめ、歌舞伎から大衆演劇まで幅広いジャンルの作品を上演し、半世紀以上に渡り、多くの人々を魅了してきた。

28日に行われた「帝国劇場 大千穐楽」では、上白石萌音さんや堂本光一さん、前田美波里さん、北大路欣也さんら、帝国劇場を彩った多くのスターたちが舞台上に登場した。

北大路欣也さんは、「私も恥をかきながら歌いました」と懐かしんだ。
(「イット!」2月28日放送より)