例年より積雪が増えている中、山形・大石田町で雪かきボランティアが行われた。雪解けが進むこの時期に気をつけるべきポイントを雪かき名人に聞いた。
高齢者にとって除雪作業は重労働に
2月27日に雪かきボランティアが行われたのは、大石田町の高齢者が住む住宅。軒下には約2メートルの雪があり、1階の屋根に積もっている雪と「つながっている」状態となっていた。

スノーバスターズ・克雪体制づくりアドバイザーの二藤部久三さんは「建物が倒壊する(屋根が崩れる)危険がある。かなりの荷重になっているので、かなり重い雪です。上の雪を先に片づけて、それから軒とくっついてる部分を切る。そうすると雪が下に落ちる」と語る。

作業にあたったのは、町の社会福祉協議会が窓口となり、無償で雪かきを行う団体「スノーバスターズ」のメンバー7人だ。積もっている雪は持ち上げるのがやっとで、高齢者にとっては、体力を使う重労働になるという。スノーバスターズのメンバーは、スコップなどを使って屋根の雪を落とし、軒下に積もった雪と切り離していた。
「“音”が出たら作業はすぐやめる」
各地で例年より多くの雪が積もっている県内。今シーズンこれまでに4人が除雪中の事故で亡くなっている。安全に作業し命を守るために大切なことを教えてもらった。

1つ目に服装はヘルメットと命綱が必須アイテムとなる。二藤部さんによると、「命綱というとロープをイメージする人が多いが、ロープだけではない。自分の体を守る安全帯、つなぐためのロープ、ロープを固定する金具・アンカー。これらが揃ってはじめて命綱となる」という。

2つ目に、はしごを上り下りする際は両手をあけておくこと。3つ目は、屋根からの落雪に注意することだ。今週は気温が上がっているため、一気に雪解けが進み屋根から重い雪が落ちてくるおそれがある。

二藤部さんは「除雪機で軒下・間口の除雪をするときは、必ず屋根の上を見て、屋根の上の雪の状態を確認する。天気が良ければすぐ水滴になって落ちてくる。もう一つは音。きしむような音・ズッズッという滑ってくるような音がする。そういった音を聞き分けて、音が出たら雪は落ちるんだということで、作業はすぐやめる」と話した。
4つ目は、必ず2人以上で作業すること。そして、5つ目はSOSを出せるように携帯電話を持っておくことだ。
雪下ろしが難しい人には紹介も
大石田町社会福祉協議会は、自分で雪下ろしができず困っている人に業者やボランティアを紹介している。大石田町社会福祉協議会・今田均事務局長は「ことしは雪が多かったのでたくさんの相談が来た。雪で困っていたらぜひ大石田町社協に連絡いただければ、一緒にみなさんと考えていきたい」と話した。

気温が上がり雪はとても重くなっていて、雪下ろし・雪かきはかなりの重労働となる。スノーバスターズの二藤部さんは30分作業したら休憩するなど、年齢と体力に合わせて、無理せず慎重に作業することが事故を防ぐことにつながると話していた。
(さくらんぼテレビ)