埼玉県内では3日間で12件のひったくり被害が発生。なぜ帰宅中の自転車が集中的に狙われているのか、被害に遭わないための対策などを、元埼玉県警捜査1課の佐々木成三さんに聞いた。

犯人全てバイク使用「自転車と並走しやすい」

埼玉県内では3日間で12件のひったくり被害があり、12件にはいくつかの共通点があることが分かった。

12件全てバイクを使った犯行
12件全てバイクを使った犯行
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まず犯人側だが、全てバイクを使用した犯行で、うち11件は2人組の犯行だったという証言がある。同一犯の可能性が高いのだろうか。

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
僕は同一犯だと思います。エリアが離れているようで、連日行った場所でいうとかなり接近した場所で、時間帯もかなり接着している時間で行っていますので、容疑者の特徴からしても同一犯の可能性が高いと感じています。

青井実キャスター:
ひったくりは増えている?

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
発生件数は減っているんですね。だからこそ、連日に同じ時間帯にこれだけ連続であるというのは正直珍しいということで、同一の可能性が高いということです。

被害者側にも共通点が
被害者側にも共通点が

犯人の共通点があったが、被害者側にも共通点があるようだ。

まず、12件の被害者全員が自転車に乗っていたということ。
さらにその全員が、かごに荷物を入れていたところ、追い抜かれざまにひったくりの被害に遭ったという。また、12件のうち10件が、前かごに入れていた荷物をひったくられていたという。

自転車のかごが狙われている
自転車のかごが狙われている

なぜ自転車ばかりが狙われるのか。

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
まず今回の容疑者がバイクを使っているということで、自転車に乗っている被害者と速度を合わせやすいんです。並走しやすいということで自転車が狙われていると。あと対象がバッグを前かごに置いている。こういった対象を狙ったうえで連続で行っているというふうに感じます。(何が入っているかじゃなく)とにかく狙うと。

カバーで全て覆うのがイチオシ「中に何あるか分からないように見せる」

青井実キャスター:
皆さん前かごに入れるじゃないですか。対策って、なかなか難しくないですか?

バッグをハンドルにかけると転倒する恐れが
バッグをハンドルにかけると転倒する恐れが

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
まず1つお伝えしたいのが、バッグをハンドルにかける人が多いですよね。犯罪者が持った時に無理やり持っていくと、自転車ごと持っていかれてしまって転倒する恐れがあるため、バッグはかけるのではなく、かごに入れてふたをする。つまりカバーをかけると。

全てを覆うカバーをかごにつけるのが効果的
全てを覆うカバーをかごにつけるのが効果的

シャワーキャップのようにゴムがついているようなカバーを前かごの部分につけると手が入らないため、何よりの対策になるという。

ネットタイプだと中身を犯罪者に知られる恐れが
ネットタイプだと中身を犯罪者に知られる恐れが

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
(Q.ネットのものもあるが)ネットより全てを覆うほうがオススメです。ネットをかけるとバッグが中にあるということが犯罪者に知られてしまうんです。この中に何が入っているか分からないように見せるということが大切だと思います。

そして、ひったくられたもので、一番多かったのがリュックサックで8件。さらにビニール袋も2件あった。他はビジネスバッグ1件、トートバッグ1件と多岐にわたる。

宮司愛海キャスター:
これら荷物について他に私たちにできる工夫はありますか?

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
まず財布などが入っているものについては、ぜひ身に着けてもらいたいですね。肩にかけるのは危険です。ハンドバッグのようなものはそのままひったくられる可能性があるので、肩から斜めがけをする、リュックサックのように両肩にかける、こういった大事なものは密着させることが大事だと思います。

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
かばんをかごに入れる時は持ち手を下にするとか、それでも可能ですか?

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
それも1つの対策ですが、その場合はカバーをしてほしいですね。手に入らないということ、見た瞬間、ひったくりの犯罪者はたぶんできないと思いますね。まず対象から外れることに関しては、こういった対策をすることが大切です。

「音などにも敏感になってもらいたい」と佐々木成三さん
「音などにも敏感になってもらいたい」と佐々木成三さん

青井実キャスター:
できることとして、ひったくりにくい状況を作るのも効果的ですか?

元埼玉県警捜査1課・佐々木成三氏:
まずは歩道を歩いてもらいたいです。危険を察知するにはバイクの音などにも敏感になってもらいたいと思います。歩いている人に関しては、ながらスマホやイヤホンをかけながら歩くということは危険を察知することが難しくなるので、気を付けてもらいたい。
(犯人は)すぐ捕まると思います。埼玉県警も、威信を懸けて捕まえなきゃ、(犯行も)止まらないと思っていると思います。
(「イット!」2月27日放送より)

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