今、駅のホームで流れる“ご当地発車メロディー”が廃止の危機に瀕している。JR東日本は、ワンマン運転化に伴い、首都圏の主要路線で“ご当地発車メロディー”を廃止することを決定した。

地元の人たちから愛される“ご当地発車メロディー”

ホームに重厚なサックスの音色が響くのは、JR南武線の武蔵溝の口駅。

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歌手・平原綾香さんのヒット曲「ジュピター」が発車メロディーとして使われている。平原さんが地元の音楽大学に通っていたことから、2024年夏に採用された。

駅の利用者:
ここに降りるとあの曲が聞こえてくるから、もっと聞きたいなと…。

一方、藤子・F・不二雄ミュージアムの最寄りの駅である南武線の登戸駅で流れるのは、「ぼくドラえもん」の発車メロディー。

駅の利用者:
ドラえもんの曲は楽しくて、気分も上がって学校も行きたくなる。

地元の人たちから愛される“ご当地発車メロディー”。しかしJR東日本は、首都圏の主要路線で廃止することを決定した。南武線は3月15日に一斉に姿を消す。

駅の利用者:
私は結構ショック。小さい頃はドラえもんを見てお世話になったので…。

駅の利用者:
残念です。登戸と言えば…という他に象徴的なものがない。

廃止理由は「人手不足」

なぜ“ご当地発車メロディー”は廃止されるのか。

廃止の理由は、ワンマン運転化に伴い、“ご当地発車メロディー”のボタンを押す車掌がいなくなってしまうからからという、人手不足が原因だった。

駅の利用者:
(廃止は)仕方ないと思うが…何とか違う方法で続けてもらいたい。

駅の利用者:
人手不足だと思うのでしょうがない。

駅の個性を彩ってきた“ご当地発車メロディー”。

山手線の高田馬場駅では、漫画家・手塚治虫さんが事務所を構えていた事から、「鉄腕アトム」の主題歌が流れる。

東京ディズニーランドがある、京葉線・舞浜駅の2番線で流れるのは、映画が大ブームとなった「レット・イット・ゴー~ありのままで~」。

さらに東海道線の茅ヶ崎駅では、サザンオールスターズの「希望の轍」が発車メロディーとして使われている。

2026年春には横浜・根岸線で、さらに2030年頃までには山手線などで“ご当地発車メロディ”が廃止される予定だ。ワンマン運転が実施された後は、列車のスピーカーから同じ発車メロディーを流すという。
(「イット!」2月26日放送より)

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