満員電車利用時のマナーとされてきた「リュックを前に抱える」という行為が迷惑だと、SNSで話題になっている。
前に抱えたリュック上でのスマホ操作で肘が当たるなど新たな不満も生まれ、鉄道会社や専門家も決定的な解決策は示せずにいるようだ。

「荷物を体の前に抱える」が迷惑と指摘

3連休が終了し、25日から日常が戻ってきたという人は多いのではないだろうか。
そんな中、SNSで「満員電車でのリュックの持ち方」が話題になっている。

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25日のテーマは「リュックの前抱えがマナー違反?ソレってどうなの?」だ。

これまで電車の中でのリュックの持ち方といえば、「背中に背負うと邪魔」なので、「前に抱える」というのが良いとされていた。

2024年12月に日本民営鉄道協会が発表した駅と電車内の迷惑行為ランキングでも、「荷物の持ち方・置き方(かばん・傘など)」は第7位になっていて、その具体例の中で、最も迷惑に感じる行為は、「かばん等を背中に背負う」だった。

鉄道会社のマナー広告でも、「電車の中では荷物を体の前に抱える」と書かれている。

ところが今、SNSを中心に、その「前抱えも迷惑だ」という声が出ている。

SNSの声:
前にリュックを抱えて、その上でスマホを持って肘を張っている。それが邪魔!

SNSの声:
前にリュックを抱えてぶつかってくる人が多いし、頭の高さにリュックが来て痛い。

街の人に、満員電車でのリュックの持ち方について聞いた。

リュック「前」派:
背中だと後ろが見えなくて、ぶつかるのもあるし、あとは前でバッグから携帯や充電器を出して
やりやすいので、こっちの方が便利かなと。

リュック「後ろ」派:
私は後ろ。前にしたことないです。前も邪魔なときがすごくあるし、あまり幅は変わらないかなと思って。

リュック「前」派:
基本的に前にかけます。足と足の間に置くこともあるが、ひもが引っかかって2次災害になるので、一番手の届く範囲にあるのが安心。

「イット!」が街で50人の方に伺ったところ、「リュックは前に抱える」と答えた方が39人、「後ろに背負う」と答えた方が5人、「床に置く」という方が4人となった。

小さな気配りが問題解決の近道に

青井実キャスター:
ーー山口さん、どうしてますか?

スペシャルキャスター・山口真由さん:
足と足の間に置いたことがあるんですけど、取り上げようとする時に痴漢に間違えられたことがあって、どこでも難しいと思っちゃいます。

青井キャスター:
前抱えがルールとして認められた気がしていましたが、それも駄目となると、どこに置いたらいいのか分からないですね。

後ろも迷惑、前も駄目となると、下に置くしかないが、街の意見を聞いた。

街の人:
下に置いたら置いたで、移動するときや降りるときなど、渋谷のような人の乗り降りが激しいところだと「邪魔になる」という声が出そうですね。自分は(リュックを)前で通したいが、そう言われると若干悩ましい感じもします。

街の人:
荷物持って電車乗れなくなる。足元も踏まれてパソコンとか壊れると嫌ですし。

そもそも満員電車の中で前にリュックを抱えるようになった理由について、鉄道ジャーナリストの梅原淳さんに伺った。

鉄道ジャーナリスト・梅原淳さん:
実は背中でも前でも、リュックがその人の体からどのくらい飛び出しているかに変わりないが、背中だと、どうしても前から見えないので、例えばその方が動いたときにぶつかりやすいです。前で抱えてほしいと鉄道会社は注意していると思います。

梅原さんによると、この荷物の持ち方問題は鉄道会社にとっても悩ましいという。

鉄道ジャーナリスト・梅原淳さん:
リュックに限らず、ショルダーバッグにしても何にしても、持ち方でぶつかることはあるので、混雑が一番良くないが、うまい(解決)方法がありません。

そんな中で、街で取材を続けるとリュック以外にも気になるマナーが次々と出てきた。

街の人:
席に荷物を隣に置いて何個も使ってる人は見たことあります。それはちょっと迷惑かなと思いました。

街の人:
満員電車で、降りたい時に無理やり人を押しのけてくる人がいて、ちょっと声かければいいのにと思うことは結構あります。

「ちょっと○○すれば」という小さな気配りこそ、問題解決の近道なのかもしれない。
(「イット!」2月25日放送より)

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